HKEX(香港証券取引所)は先月28日、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の新インデックスをローンチすることを発表した。新興資産クラスに関するリアルタイムデータを求める香港投資家の需要に応えるためであるという。
HKEXが、発表したのは「HKEX暗号資産(仮想通貨)指数シリーズ」。同指数シリーズは、アジア時間帯でビットコインとイーサリアムのリアルタイム、日次参照価格を提供する。インデックスは11月15日に公開される予定だ。
このインデックスがほかの暗号資産やデジタル通貨をふくむよう今後拡大されるのかについては今のところわかっていない。現時点では、指数シリーズのローンチを成功させ、暗号資産市場のに普及につとめていくという。
CoinDeskやCoinMarketCapなど、暗号資産ベンチマークのほとんどは、協定世界時を使用して暗号資産の価格とパフォーマンスを追跡している。なお、ビットコインとイーサリアムには、金融商品の決済用に設計された基準レートがあり、香港時間午後4時に毎日計算される。
この指数シリーズは、香港で開発される初のEUベンチマーク規制準拠の暗号資産指数シリーズとなり、英登録のベンチマーク管理者で暗号資産データ及び指数プラオバイダーであるCCDataによって管理、計算される。
HKEXのCEO、ボニー・チャン(Bonnie Chan)氏は声明で、「この急速に台頭する資産クラスに対する地域の高まる需要を満たすために、HKEX暗号資産指数シリーズを導入できることをうれしく思う。透明性と信頼性のあるリアルタイムのベンチマークを提供することで、投資家が情報にもとづいた投資決定を下せるようにすることを目指しており、それが暗号資産エコシステムの発展を支援し、国際金融センターとしての香港の役割を強化することになる」と述べた。
この指数シリーズの立ち上げは、香港が2022年に暗号資産の開発に関する政策声明を発表してから2年後に行われたものとなる。こうした取り組みでは、香港で暗号資産の活気あるエコシステムを構築することを目指している。
アジアの金融センターとして地位強める狙い
今回の取り組みは、香港が暗号資産市場を支援し、拡大していくという取り組みとも一致している。香港は暗号資産ハブとなることで、アジアの金融センターとして地位を強めることを目指してる。
SFC(香港証券先物委員会)は先月28日、2024年末までにさらに多くのデジタル資産取引所にライセンスを付与することを発表した。
参考:HKEX
画像:Shutterstock
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