SFC(香港証券先物委員会)とHKMA(香港金融管理局)は22日の共同声明で、暗号資産(仮想通貨)現物ETFの申請を受け付ける用意ができていると述べた。
SFCとHKMAは声明で、両組織が暗号資産現物ETFに関する現在の政策をアップデートしたと言及。SFCが2018年に「プロ投資家のみに限る」という制限を設けてから暗号資産を取り巻く環境は進化したと続けた。
SFCは現在、暗号資産現物ETFや既存の暗号資産先物ETFを含むさまざまなETFの認可申請を受け付けると述べた。
声明のなかで、「SFCとHKMAは、暗号資産に関連した活動を希望する仲介業者に対する既存のポリシーを見直した。更新されたポリシーでは、SFCによるVA先物ETFの認可や、暗号資産現物上場投資信託(VA現物ETF)などの暗号資産にエクスポージャーを持つほかのファンドの申請を受け入れる準備など、最新の市場動向を反映している」と述べ、暗号資産現物ETFの承認に前向きな姿勢を示した。
SFCは別の声明で、ファンドの基準を「SFCが認可した暗号資産取引プラットフォーム(VATP)で香港国民が利用できる同一の暗号資産現物トークンに直接投資する」ことを言及している。
ETFを介して行われるSFC指定の暗号資産取引は、SFCライセンスを持つプラットフォーム、あるいは認可された金融機関を通じて行わなければならないという。
SFCはさらに、ファンドの受託者またはカストディアンは、SFCライセンスを取得した暗号資産取引プラットフォーム、またはHKMAが設定したカストディ基準を満たすプラットフォームに限ってカストディ機能を委任すべきであると述べた。
米国を中心に進む暗号資産現物ETFの検討
来年早々にも米国でビットコイン現物ETFが誕生するという期待が高まるなか、香港もこのトレンドに乗っている。HSBC香港は最近、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)先物ETFのサポートを拡大した。また、UBSグループは香港の一部顧客に暗号資産連動型ETFの取引を許可することを発表した。
暗号資産価格は、SEC(米証券取引委員会)がビットコイン現物ETFの承認を許可するという期待で価格が上昇傾向にある。
ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、グレースケール(Grayscale)などの資産運用企業はすでに申請を提出。その後もSECと協議を重ね、現物ETFに対する懸念を解消するために、申請を修正している。SECはこれらの申請を許可するために申請を修正させているとの指摘もある。
香港を暗号資産ハブにするという国の政策もある。香港は自らを「暗号資産に優しい国である」と述べ、暗号資産業界の成長を促進するためのさまざまな取り組みを行っている。
先月、SFCのジュリア・レオン(Julia Leung)CEOは、現地の規制に準拠している場合、規制当局が個人投資家による暗号資産現物ETFの取引を許可する可能性を示唆している。
参考:発表
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