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【NEWS】自民党web3PT、「Web3.0ホワイトペーパー2024」発表 申告分離課税の導入等に言及

2024/04/17Iolite 編集部
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【NEWS】自民党web3PT、「Web3.0ホワイトペーパー2024」発表 申告分離課税の導入等に言及

2024年度版web3ホワイトペーパー発表

自民党のデジタル社会推進本部web3PT(プロジェクトチーム)は12日、「Web3.0ホワイトペーパー2024 ~新たなテクノロジーが社会基盤となる時代へ~」をとりまとめ、デジタル社会推進本部で了承されたことを発表した。この後、政務調査会の審査を経て、自民党の正式な政策となる。

今回発表された2024年度版のホワイトペーパーは、1「Nippon Nexus:Weaving the web3 Era~日本がweb3時代の中心へ」、2「web3の推進に向けてただちに対処すべき論点」、3「web3のさらなる発展を見据え議論を開始・深化すべき論点」の3つを柱として構成されている。

暗号資産税制の改善など業界の要望を多数盛り込む形

まず、「Nippon Nexus:Weaving the web3 Era~日本がweb3時代の中心へ」では、事業環境の整備として、自社保有の暗号資産(仮想通貨)を期末時価税の対象外にすることに加え、資金決済法を改正し、パーミッションレス型ステーブルコインの流通を可能にすること、DAOの活用化に向け府令改正をすることがあげられた。

投資環境の整備では、第三者長期保有の暗号資産も期末時価評価税の対象外とすること、投資事業有限責任組合(LPS)による暗号資産の取得・保有を可能とするためにLSP法を改正することが閣議決定された点などを列挙している。

続く「web3の推進に向けてただちに対処すべき論点」では、検討課題として13に及ぶテーマを取り上げ、問題を明確化し、それらに対する提言をした。

VC(Verifiable Credentials)やDID(分散型ID)、DIW(Digital Identity Wallet)といった社会のデジタル化に資する有望な技術の利活用が求められている問題については、政府や自治体が率先して「VCのIssuer、Verifierとなることを視野に入れた制度的・技術的課題の整理を、デジタル庁が中心となり推進する必要がある」と記載された。

また、ブロックチェーン関連事業への投資ビークル・スキームの多様化に関連し、LPS型ファンドによる暗号資産の取得・保有について、LPS法の改正案は提出されているものの、スタートアップ等の暗号資産発行体がLPSに対して暗号資産を売却する場合に暗号資産交換業へ該当しているかどうかが明確化されていない点を課題としてあげた。

そのため、LPS法改定において下位法令の策定が必要であるとし、発行体の暗号資産交換業該当性について当局の早急な対応を講じる必要があると記した。

注目を集める税制改正については、暗号資産取引から得た利益は、現在雑所得に区分され最高で55%が課税されているが、暗号資産取引に係る損益を申告分離課税の対象とし、損失の所得金額から翌年以降3年間の繰越控除を導入することが提言された。

さらに、暗号資産取引に関する損益は、暗号資産同士を交換したタイミングでは課税せず、保有する暗号資産を法定通貨に交換した時点で課税すべきと記された。

このほか、DAOの活用促進に向け、実務的な課題の洗い出しと解釈の明確化及び実務運用の見直しにより対応できる点に関して速やかに対処する必要があると提言したほか、セキュリティトークンの流通促進に関する措置、公募型の特定受益証券発行信託のセキュリティトークンについて、NISAの対象とすべきであるとも記している。

NFTの活性化についても、NFTを用いたランダム型販売や、ファンタジースポーツのサービスの適法なビジネスモデルを示すガイドライン策定の検討を官民連携で進めるべきであるとした。二次流通市場からの収益還元について、選手に対する収益還元については関係団体、関係省庁、業界団体が連携して適切なモデル策定のルールを早急に進めるべきだと言及している。

暗号資産レバレッジ倍率の引き上げ及び暗号資産現物ETFの実現にも言及

「web3のさらなる発展を見据え議論を開始・深化すべき論点」については、4つの課題を取り上げ、それぞれ問題を特定し、提言を行った。具体的には、下記の4点となる。

  • web3コンテンツの海外展開支援
  • 安心安全な利用環境
  • 自治体支援
  • 暗号資産ビジネス

「web3コンテンツの海外展開支援」については、NFT活用方法や法的リスクの認識不足を取り上げ、関心のあるコンテンツホルダーやクリエイターからの相談に乗り、海外企業との経堂促進など具体的な支援をするべきだとした。

また、暗号資産ビジネスに関しては暗号資産レバレッジ倍率が現在上限が2倍となっているが、それが海外暗号資産取引所等にユーザーが流出している理由となっているため、レバレッジ引き上げを検討するべきだと明言している。

さらに、暗号資産現物ETFを国内で実現させるため、投信法の目的に照らして検討するべきだと提言している。必要であれば法改正等の提言を行うべきだとし、日本でもビットコイン現物ETFの実現に向け対処すべきであるとした。

参考:ホワイトペーパー要旨
画像:Shutterstock

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