日本円ステーブルコイン「JPYC」を手がけるJPYCは8日、海外送金サービス「Kyodai Remittance」を運営するウニードスと業務提携に関する検討を開始したと発表した。
今回の取り組みでは、日本初となる資金移動業型電子決済手段のステーブルコインの発行を目指すとしている。
これまでJPYCは、1JPYC=1円で連動する前払式支払手段として発行され、多くのユーザーに利用されてきた。そして今回、新規発行を目指す資金移動業型電子決済手段に該当するステーブルコインは、すべてのユーザーが日本円に償還することが可能となる。
これにより、利便性の向上だけでなく、デジタル資産としての安定性や信頼性も向上し、利用者の増加も見込める。セキュリティ対策や技術的面では、JPYCがステーブルコイン発行・運営事業で培ってきた技術を活かし、従来のJPYCと同じく、ステーブルコインの世界規格であるCentre.io準拠を目指すとしている。
具体的には、不正アドレスをブロックするブロックリスト機能、脆弱性に対応するためのアップグレード機能、マネーロンダリング・テロ資金供与対策のスマートコントラクトにより、世界最高水準の安全性と堅牢性を実現するという。
JPYCは発表で「新規ステーブルコインへの検討においては、パブリックチェーン上で運用され世界で統一された規格であるべきという基本理念と海外送金とのシナジーが非常に高く、この業務提携の実現によって大きな変革を起こせると考えております」と述べた。
200を超える国・地域にサービスを展開するウニードス
Kyodai Remittanceは在留外国人の郷里送金を主な対象として、ウニードスが2010年6月から開始した海外送金サービスだ。ウニードスの店舗やゆうちょ銀行、ローソン銀行ATMで利用可能な海外送金カード、アプリを利用した海外送金を受け付けている。200を超える国や地域に最短10分かつ安価な手数料で送金を行うことができる。
日本で就労している外国人の送金ニーズに多言語で対応し、全国の個人及び法人の小口送金ニーズに応え、昨年11月時点で累計送金取扱件数は560万件以上に成長した。
参考:発表
画像:発表より引用
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