経済産業省が進める「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」は3日、政策課題・産業課題等に基づきテーマを事前に定めた上で、事業者の公募を開始した。
経産省は発表で、「Web3.0・ブロックチェーン技術は将来的なポテンシャルを秘めた技術」と述べる一方、実利で動く民間事業者にとって価値がみえづらいと指摘。また、「インフラ構築は公共性が高く民間事業者のみで取り組む経済合理性が低い」「ルール整備は進んでいるが依然として複雑・不明瞭な部分も多い」といった課題をあげ、現実的には社会実装や社会受容が進んでいないと説明する。
これらの課題に対応するため、各業界、あるいは業界横断でのデジタル公共財等の構築に関する実証を支援し、Web3.0・ブロックチェーンの社会実装や社会受容の加速を図る。
本事業にあたり、令和5年度補正予算案額として4.5億円が計上されている。公募テーマは下記の5つだ。
- 現物資産や無形資産のデジタル化市場(発行・流通市場)構築
- 資源循環システムの自律化・強靭化のための情報プラットフォーム構築
- スポーツ業界における肖像権等の権利管理システム・ルール策定
- コンテンツIP保護のためのガイドライン策定
- Web3.0型地方創生・関係人口創出事業のためのガイドライン策定
この各テーマに基づく事業を提案し、採用されれば予算が付き事業開始となる。
なお、実証実験の実施にあたり、Web3.0・ブロックチェーン領域における法律、会計・税務、技術、国際、コミュニティに知見がある有識者10名による有識者委員会が設置され、アドバイザリーボードにおける議論、アドバイスを踏まえて制度設計がなされていると経産省は説明している。
アドバイザーにはスターテイルラボ(Starrale Labs)の渡辺創太氏を始め、千葉工業大学学長の伊藤穰一氏、イーサリアム・ファウンデーションのエグゼクティブ・ディレクターの宮口あや氏、バージニア工科大学及びジョージタウン大学の松尾真一郎研究教授、株式会社CoinPostの各務貴仁氏らが名を連ねる。
参考:経産省、社会実装推進センター
画像:Shutterstock
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