ナスダック上場のビジネスインテリジェンス及びソフトウェア開発企業のマイクロストラテジー(MicroStrategy)は先月30日、約6億ドル(約880億円)を投じ、ビットコイン(BTC)を買い増ししたことを発表した。
今回、マイクロストラテジーが購入したビットコインの数量は16,000BTCにのぼる。
同社の創設者兼元CEOのマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏はX(旧Twitter)で「マイクロストラテジーは総額約5億9,330万ドル、平均価格36,785ドルで16,130BTCを取得した。2023年11月29日時点で、マイクロストラテジーは174,530BTCを約52億8,000万ドルで取得しており、平均価格は30,252ドルだ」と述べた。
今回の購入でビットコインの保有量は174,530BTCに達した。記事執筆時点で約1兆600億円相当となる。マイクロストラテジーは現在、ビットコインの最大保有企業となっている。
マイクロストラテジーが初めてビットコインを購入したのは2020年8月だ。当時、ビットコインに2億5,000万ドル(約367億円)という多額の初期投資を行った。その後、暗号資産相場は強気が続き、ビットコインは2021年11月に過去最高値となる6万9000ドル(当時約790万円)まで上昇した。
セイラー氏は、ビットコインを「インフレに対するヘッジであり、株主に最大の利益をもたらす最高の戦略である」と主張している。
同氏は先月、マイクロストラテジーの第3四半期の報告で、「マイクロストラテジーの株を購入することこそ、投資家がビットコインに安全に投資できる方法である」と述べていた。ナスダック市場に上場するマイクロストラテジー(MSTR)の価格は先週の終値で527.68ドル。1ヵ月比で約15%上昇している。
セイラー氏は、ビットコインが現金や不動産よりも優れた投資資産であると度々主張している。「価値があり信頼できる最高の現金の保存手段であり、現金を保有するよりも長期的にみて値上がりする可能性がある魅力的な投資資産だ」と繰り返し述べてきた。
マイクロストラテジーのCEOであるフォン・レ(Phuong Le)氏は、今後も同社はビットコインを購入していくと示唆した。
ビットコインの上昇要因
ビットコインは来年春頃に4度目の半減期が近づいているほか、SEC(米証券取引委員会)によるビットコイン現物ETFの承認という期待感から大きく価格を伸ばしている。こうした状況がマイクロストラテジー等のビットコイン投資戦略の勢いを高めている。
なお、マイクロストラテジーはあらたにAクラスの株式の売却を通じて、最大7億5,000万ドル(約1,100億円)を調達する可能性があると述べた。今後さらにビットコインへ投資する計画があることを示唆した格好だ。
参考:発表
画像:Shutterstock
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