FOMC(米連邦公開市場委員会)は20日、今後0.25ポイントの利下げを3回実施するという従来の予想を維持した。
一方で、2025年の利下げ回数については再び懸念が浮上したインフレの上振れを踏まえ、当初4回の実施が見込まれていたが、3回に減らす可能性が強まった。
また、FOMCは今回の会合においても主要政策金利の据え置きを決定した。金利据え置きは5会合連続で、全委員が支持した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25~5.5%。今年中に2020年3月以来となる利下げに踏み切る方針に変わりがないことを示唆した。
FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル委員長は会合後の記者会見で、5月あるいは6月のFOMCの会合で政策金利を引き下げるかという質問に対して直接的な回答は避けた。また、初回利下げについて「年内のある時点になる可能性が高い」という従来の発言を繰り返し、明言しなかった。
さらに、インフレの上振れを示す最近のデータについては「特に重くみていない」との姿勢を示した。「我々がその確信に達し、利下げが実施されるという認識を大半の人が抱いている可能性は高い」と述べている。
パウエル委員長はまた、「データは利下げ開始に対するFOMCの慎重なアプローチを裏付けている」とし、インフレが目標の2%に進んでいることを示すより多くの根拠を当局者たちは目にしたいと考えていると付け加えた。
今回の声明の内容は1月とほぼ同じだ。「委員会はインフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めるまで、誘導目標レンジの引き下げが適切になるとはみていない」との考えを継続した。
ビットコインなど暗号資産も大幅上昇
FOMCの利下げ路線に変わりがないことはわかると、ビットコイン(BTC)を始めとした暗号資産(仮想通貨)価格は上昇した。ビットコインは一時61,000ドル(約920万円)に迫ったが、利下げ動向に関する方針などが要因となり、記事執筆時点では67,500ドル(約1,020万円)ほどまで上昇している。
またアルトコインも価格を伸ばしており、イーサリアム(ETH)は一時3,200ドル(約48万3,000円)ほどまで下落していたが、3,500ドル(約53万円)ほどまで価格を戻している。
NYダウなども大幅に戻しており、市場が強くリスクオンに振れる可能性もある。こうした影響が暗号資産市場にも及ぶことも考えられる。
参考:発表
画像:Shutterstock
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