NYSE(ニューヨーク証券取引所)は29日、コインデスク・インデックス(Coindesk Indices)と提携し、ビットコイン(BTC)の現物指数である「The Coindesk Bitcoin Price Index(XBX)」を軸にした現金決済のインデックスオプションの提供を開始すると発表した。
NYSEはコインデスク・インデックス及び規制当局と提携してビットコインオプションを開発するという。昨年、ICE Futures Singaporeはコインデスク・インデックスと提携し、ビットコイン先物契約である「Coindesk Bitcoin Futures(BMC)」を更新し、月次契約決済にXBXを活用した。
現在、運用中の200億ドル(約3兆円)のETF資産のベンチマークとなっているXBXは、複数の暗号資産(仮想通貨)取引所における米ドル建ての現物ビットコイン価格をリアルタイムで追跡している。XBXは1秒に1回、1日24時間、365日計算され公開されている。
NYSEの最高製品責任者ジョン・ヘリック(Jon Herrick)氏は声明で「従来の機関投資家や一般投資家は最近、ビットコイン現物ETFの承認に熱意を示しており、NYSEはコインデスク・インデックスとの提携を発表でき嬉しく思う。規制当局の承認が得られれば、これらのオプション契約は投資家に重要な流動性と透明性のあるリスク管理ツールへのアクセスを提供する」と語った。
また、コインデスク・インデックスの製品責任者であるアンディ・ベア(Andy Baetr)氏は「XBXは2014年以来、何百万人もの投資家、市場参加者、ビットコイン愛好家に信頼できるビットコイン価格を提供してきた。NYSEと協力してXBXインデックスオプションを立ち上げることで、デジタル資産のあらたな章が開かれ、米国及び世界の投資家の手に重要で馴染あるリスク管理ツールがもたらされるだろう」と述べている。
暗号資産取引開始の布石
今回のオプション取引開始はNYSEが暗号資産現物取引を開始する布石になる可能性もある。
NYSEのリン・マーティン(Lynn Martin)社長は、テキサス州オースティンで開催されている「Consensus 2024」のパネルディスカッションで、「米国に明確な規制ガイダンスがあれば、検討する機会になるだろう」と述べ、暗号資産取引の提供を開始する準備があることを示唆した。
現在、米国では暗号資産関連規制の整備が進みつつある。こうした動きが加速することで伝統的な金融機関の参入も相次ぐ可能性がある。
参考:発表
画像:Shutterstock
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