スイスの資産管理企業パンド・アセット(Pando Asset)は29日、SEC(米証券取引委員会)にビットコイン現物ETF「Pando Asset Spot Bitcoin Trust」の申請を行った。ティッカーシンボルは「PBTC」だ。
承認されれば、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)とニューヨークメロン銀行(BNYメロン)をカストディアンとして、Cboe BZX取引所(シカゴ・オプション取引所)で取引されることになる。
申請書によると、ビットコイン(BTC)の価格設定についてはCMEのCFビットコイン参考基準レート(BRR)を使用するという。BNYメロンが信託の管理者となるのは、パンド・アセットが外国企業であり、SECやほかの米国機関に登録されておらず、規制の対象になっていないためだ。
ほかのビットコイン現物ETFを申請している企業と同様、パンド・アセットはファンドのリスクについて言及している。また、SECがほかの保留中の申請を承認した場合、独自のビットコイン現物ETFが最初に、または実質的に資産を取得できない可能性もあることを述べている。
パンド・アセットは、競合するプロバイダーよりも手数料が低く、迅速かつ効率的に商品を提供できることを主張している。また、パンド・アセットの提供するETFが流通市場で十分な流動性が得られない場合、ディスカウントで取引されることもあるという。
パンド・アセットはヨーロッパの投資家向けに暗号資産ETP(上場投資信託)を提供している。
SECはブラックロックやインベスコと再び協議
ビットコイン現物ETFについてはSECが本腰を入れて申請書を調査しており、来年にも実現することが期待されている。現在、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、インベスコ(Invesco)、ハッシュデックス(Hashdex)などが申請をしているが、SECは審査決定を延期している。
なお、SECは28日にインベスコ及びブラックロックの代表者らとビットコイン現物ETFについて協議を行ったという。
ブラックロックはSECに申請した修正資料で「11月20日の会合で、マーケットメーカーの米登録ブローカー・ディーラー事業体(MM-BD)に対するバランスシートへの影響や、償還手続きに関するマーケットメーカーへのリスクに関連する問題について、SECが疑問を持っていることを理解している。だが、償還フロー中のマーケットメーカーの未登録事業体(MM-crypto)とは異なる。オフショアMMからオンショアMMへ現金受取額を作成し、その後現金を直接転送してすべてが終わった後もオンショアに残すことで解決可能だ」とし、SECの懸念を解消することができると述べている。
参考:申請書類
画像:Shutterstock
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