ブロックチェーン技術を活用した予測市場「ポリマーケット」で、選挙で重要な激戦州であるペンシルベニア州で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領がカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領に53.8%の確率で勝つとの予想を記録し、過去最高となった。
ハリス副大統領が大統領選挙候補として立候補を表明した8月には、大統領選に勝利する確率において同氏がトランプ氏を上回っていただけに、この数字の意味するところは大きい。
過去数週間にわたり、両候補はユーザーが選挙結果を予測市場で取引することができるイーサリアムベースのプラットフォーム・ポリマーケットで、ほぼ互角の戦いを繰り広げてきた。そんななかでトランブ氏が10月4日に再びハリス氏を抜いた。別の市場ではハリス氏が得票総数の72%を獲得し、一般投票で勝利する可能性が高いともいわれているだけあって、市場はポリマーケットの結果に注目しているようだ。
ポリマーケットは、トランプ氏の支持者であり、出資者でもあるピーター・ティール氏が一部出資していることで知られるが、いくつかのプラットフォーム間で関連する数字に違いがある理由は定かではない。
トランプ氏の今回の数字は、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が7月21日に選挙戦からの撤退を表明し、ハリス氏に候補者を譲って以来、最高のものとなる。
現時点でハリス副大統領は少なくとも、ほかの2つの重要な激戦州で依然としてわずかにリードしている状況。ミシガン州では53%対48%、ウィスコンシン州では52%対49%でハリス氏がトランプ氏を上回っている。
ペンシルベニア州の大統領選挙世論調査はここ数日大きな変化はなく、ほとんどの調査で接戦となっており、世論調査の分析をする政治のプラットフォーム、ファイブサーティエイト(538)がまとめた最近の世論調査の平均では、最新の結果においてハリス氏が0.6%リードしている。
ペンシルベニア州は今年の選挙結果を左右するとみなされている7つの激戦州の1つ。2020年、バイデン大統領は同州でトランプ氏を破り、一方トランプ前大統領はヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官に勝利し、大統領選挙で勝利をおさめた。
ほかの6州では、7日の世論調査結果の平均によると、ミシガン州、ウィスコンシン州、ネバダ州でハリス氏がトランプ氏を若干リードしていた。対して、ジョージア州、ノースカロライナ州、アリゾナ州ではトランプ氏がわずかにリードしている状況だ。
被災地にいち早く駆けつけたことが要因か
ポリマーケットは現在、トランプ氏がハリス副大統領に勝利するという確率がハリス氏勝利の確率を上回っている。
この動きは、トランプ氏がハリケーン「ヘリーン」が直撃した激戦州の南部ジョージアにいち早く駆けつけ、被災者を支援したことも要因の1つとされている。
バイデン大統領とハリス副大統領は数日遅れで被災地を訪問した。しかも直撃時、バイデン大統領は寝ていたとの報道があった。米国経済だけでなく、暗号資産市場からも11月の大統領選は大きな注目要素であることに変わりはないだろう。
参考:The Block
画像:Shutterstock
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