Startale Japan(スターテイルジャパン)と博報堂キースリーは5日、日本円建てステーブルコイン「JPYSC」で利払いと償還を行う個人投資家向けデジタル社債「ステーブルコイン普及債」を発表した。
具体的には、主な条件は以下の通りだ。
・発行体:Startale Japan
・利率:年5%(税引前)
・期間:1年
・1口の金額:100,000円
・募集金額:9,990万円
・募集期間:10月6日(火)〜2026年11月10日(火)
・発行日:2026年12月1日(火)
・利払日:2027年6月1日(火)、2027年12月1日(水)
・償還日:2027年12月1日(水)
・受取方法:「Startale App」上でJPYSCにより受け取り
・保証:Startale Group Pte. Ltd.が元本・利息・遅延損害金を保証
信託型ステーブルコインで利払いと償還を行うデジタル社債は日本初の取り組みだという。Startale Group CEOの渡辺創太(以下、渡辺)氏は、個人向けの自己募集型デジタル社債として過去最高水準の利率だとの認識を示した。

渡辺氏は発表会で、未上場企業が発行する場合は1億円程度が一般的な上限になると説明した。金融商品取引法では、発行総額が1億円以上の募集には有価証券届出書の提出が必要で、その後も毎年、有価証券報告書を出し続ける義務を負う。1億円未満であれば届出書は不要で、1,000万円を超える場合も簡易な有価証券通知書で済む。今回の募集金額が9,990万円となっているのも、この基準を意識したものとみられる。
なお、2026年7月に成立した改正金融商品取引法により、この免除基準は5億円未満に引き上げられる。2027年4月1日に施行される予定だ。
その上で渡辺氏は、「今回は資金ニーズというよりも、こうした仕組みを日本で提供し、事例を作っていきたい」と語った。
投資家は日本円で申し込むため、ステーブルコインを用意する必要はない。Startale Japanが社債を発行し、利息と償還金はJPYSCで支払われる。投資家は「Startale App」上でこれを受け取る仕組みだ。口座開設や本人確認、募集から償還までの手続きは、オーナーシップのプラットフォームで行う。
JPYSCは信託型の日本円ステーブルコインで、SBIグループとStartale Groupが共同開発した。SBI新生信託銀行が発行し、SBI VCトレードが流通を担う。2026年6月24日にイーサリアム上で発行され、累計発行額は約270億円にのぼるという。
渡辺氏は、ステーブルコインを使うことで、利払いの送金コストが既存の仕組みの100分の1程度になると説明した。その上で、「2回目、3回目と発行する際には、利息の支払いを毎日にしていきたい」と続けた。
一方、今回の利払いは2027年6月1日と12月1日の年2回、つまり6ヵ月に1回となる。信託型ステーブルコインは受益権が移転するたびに調書を税務署へ提出する必要があり、現状JPYSCはSBI VCトレードの取引環境以外では流通できていないためだという。渡辺氏は、金融庁が税制改正要望で調書提出の不要化を求めていることに触れ、2027年4月までに改善されるとの個人的な見立ても明かしている。

博報堂キースリー代表取締役の重松俊範(以下、重松)氏は発表会で、証券会社を介さず発行体が自ら募集する「自己募集型デジタル社債」について解説した。引受手数料が不要になるため小口での発行が可能になり、最低購入額は従来の1,000,000円程度から、100,000円や設計上は1,000円程度まで小さくできるという。
重松氏は広告会社が取り組む理由について、社債の購入も企業を応援する行為だとした。そのうえで、「株も社債も含めて、ファン投資家を育成することもマーケティングの一環になってくる」と述べた。
さらに重松氏は、小口化するほど利払いや償還の送金が煩雑になる課題をあげた。送金手数料が安く速いステーブルコインで解決できるとして、今回の取り組みにつながったと説明した。
なお、保証会社のStartale Groupは2026年3月、総額6,300万ドル(約100億円)のシリーズAラウンドを完了している。内訳は、1月に第一クローズとしてソニーグループのSony Innovation Fundから調達した1,300万ドルと、SBIグループからの5,000万ドルだ。Startale Japan今後、購入者限定の特典も用意する予定だ。
写真:Shogo Kurobe
特設サイトURL:https://startale.com/bond
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