米フィンテック決済企業のStripe(ストライプ)は21日、ステーブルコイン決済のスタートアップであるBridge(ブリッジ)を買収した。フォーブスが報じたところによると、買収金額は11億ドル(約1,650億円)にのぼる。
2010年にIT長者のジョン・コリンソン(John Collinson)氏とパトリック・コリンソン(Patrick Collinson)氏によって創業されたStripeは、今年初めに企業価値が650億ドル(約9.7兆円)に達し、米国で最も評価額の高い非上場スタートアップ企業の1つとなっている。
SEC(米証券取引委員会)が今年初めにビットコイン現物ETFを承認して以来、暗号資産(仮想通貨)業界は勢いを増している。規制緩和を求める声が一層強まるなか、大手企業による暗号資産の受け入れへの道が開かれている。
StripeのCEOであるコリンソン氏はXでの投稿で、「ステーブルコインは金融サービスにおける常温超伝導体だ。ステーブルコインのおかげで、世界中の企業は今後数年間でスピード、カバレッジ、コストの大幅な改善の恩恵を受けることになる」とコメント。「Stripeは世界最高のステーブルコイン・インフラストラクチャを構築する予定であり、そのためにステーブルコインをStripeに迎え入れることができてうれしく思う」と続けた。
Bridgeの買収はStripeにおける暗号資産機能の拡大、なかでもステーブルコインを導入することが目的であるようだ。Bridgeは企業がステーブルコインを使った支払いをサポートできるようにB2B向けステーブルコイン・インフラストラクチャを提供している。
今回のStripeによるBridgeの買収は、ステーブルコインの利活用をメインストリームに押し上げる点で重要なものとなる。現時点でステーブルコインは暗号資産取引や法定通貨不安を抱える国々での使用が主であった。しかし、金融領域で影響力を持つStripeとの統合により、決済におけるステーブルコインの利活用がこれまで以上に活発化していく可能性がある。
参考:発表、Forbes
画像:Shutterstock
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