イーロン・マスク(Elon Musk)氏率いる電気自動車メーカー・テスラ(Tesla)が、引き続きビットコイン(BTC)を保有していることがわかった。2023年第4四半期の決算報告書を受けて明らかになった。
テスラは決算報告書でビットコインについて言及しておらず、このことから第4四半期でビットコインの売買を行っていないことが示唆された格好だ。
Bitcoin Treasuriesによると、テスラは財務資産として9,720BTC(約597億円相当)を保有しており、3番目にビットコインを保有している企業となっている。1位はマイクロストラテジー(Microstrategy)社で189,150BTCを保有している。
テスラが最後にビットコインを売却したのは2022年の第2四半期だ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響で、同社の資金を確保するために9億3,600万ドル(約1,380億円)相当のビットコインを売却した。
テスラは第4四半期に総売上高252億ドル(約3兆3,700億円)をあげ、前年同期比3%の増加となった。同社は1株あたり71セント(105円)の利益を報告したが、市場アナリストの予想74セント(110円)を下回った。同社の純利益は前年同期の37億ドル(約5,530億円)から79億ドル(約1兆1,800億円)に増加した。
デュアルクラス株式への転換について言及
マスク氏は決算会見で、テスラ株の25%を所有し、議決権を有することが理想とする考えについて問われ、1株に複数の議決権を持つ「デュアルクラス株式」へ転換する可能性があることを示唆。同氏は「我々は機関投資家向けの株主サービスについて多くの課題に直面してきた。私は影響力を持つだけの十分な力を持ちたい。デュアルクラス株式を実現できたらそれが理想的だ」と述べた。
また、マスク氏が現在最も注力するAI企業のx.AIと、人型ロボット「オプティマス(Optimus)」は重要な転換点に接している。マスク氏はオプティマスについて、テスラにとって「ほかのすべてを組み合わせた価値をはるかに超える可能性がある」と語っている。
さらに、X(旧Twitter)の万能アプリ化については言及しておらず、今のところ大きな進展はないようだ。マスク氏は10日、今年前半には金融強化を目指すと発表していた。
参考:発表
画像:Shutterstock
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