トヨタファイナンシャルサービスは10日、トヨタグループとして初となる公募型ST(セキュリティトークン)社債「トヨタウォレットST債」の発行を発表した。社債総額は10億円で、年限は1年。一口あたり10万円で募集期間は2月20日から2月27日までとなる。
トヨタは発表で、今回発行するSTでブロックチェーンを活用することにより、「トヨタグループと個人投資家との結び付きをより強くすることが可能」と説明する。この特徴を活用し、トヨタグループが手がける決済アプリ「TOYOTA Wallet」で特典のプレゼントを行うという。
プレゼントはTOYOTA Wallet 残高となっており、STを購入した額によって受け取れる金額が変わる。特典プレゼントを通して、トヨタグループの事業や活動に共感・応援するユーザーを増やしていきたいと考えているようだ。また、本ST債を通じて同じように発行を検討する事業者らとともに市場の発展に貢献していくとしている。なお、特典の受け取りにはTOYOTA Walletアプリのインストール及び顧客情報の登録が必要だ。
このSTはProgmat(プログマ)社が提供するデジタルアセット発行・管理基盤「Progmat SaaS」を活用して発行される。TOYOTA WalletとProgmatの情報連携により、タイムリーに投資家の情報を把握し、最新の情報をもとに役務提供を行うとしている。また、大和証券及び三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行も発行に協力する。
ST市場の規模は昨年末時点で2,700億円程度だが、2025年にはさらなる成長が見込まれている。Progmatは今年に入って発表した「デジタル証券(ST)マーケットアウトルック2025」で、市場規模が6,455億円程度まで成長すると予測している。
これはSTの案件数増加などをもとに算出されたものとなっているが、その要因になっているのが従来のSTにとらわれないあらたなトークン化アセットの登場だ。現状では不動産STが大多数を占めるなか、今年はインフラなどの動産STや出資持分ST、海外不動産などの海外アセットSTに関する信託税制上の課題が解決される見込みであることから、多種多様なSTの登場が期待されている。
依然としてSTの発行や取り扱いには一定のハードルを要するなか、今回のトヨタによる取り組みは認知度の向上等に寄与する可能性がある。
参考:発表
画像:発表より引用