【NEWS】ミームコイン「TRUMP」の宣伝 連邦法違反の可能性を指摘される

2025/02/07 19:24 (2025/02/17 14:36 更新)
Iolite 編集部
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【NEWS】ミームコイン「TRUMP」の宣伝 連邦法違反の可能性を指摘される

実質的な贈与の勧誘にあたるかが論点

トランプ大統領が自身のミームコイン「TRUMP」を宣伝したことについて、連邦法違反の可能性が指摘されている。

米国の消費者権利擁護団体「Public Citizen」は、トランプ氏の宣伝行為が贈与の勧誘を禁じる連邦法に違反する可能性があるとして、司法省および政府倫理局に調査を要請した。この問題は、公職者の倫理規定や国外からの資金流入のリスク、利益相反の懸念など、複数の法的論点を含んでいる。

Public Citizenは、トランプ大統領のミームコイン「TRUMP」の宣伝行為が、実質的に贈与の勧誘にあたる可能性があると指摘している。連邦法では、現職の大統領が贈与を受け取ることは認められているが、それを積極的に勧誘することは禁止されている。ミームコインの宣伝がこの「勧誘」に該当すると判断された場合、違法行為とみなされる可能性がある。

また、同ミームコインは暗号資産であり、匿名で取引が可能なことから、国外の国家関係者が購入するリスクもあるとされている。米国憲法の「報酬条項(Emoluments Clause)」では、大統領が米国外からの贈与を受けることを禁止しているため、TRUMPがこれに抵触していないかが調査の焦点の1つとなっている。

政治的責任の追及が行われる可能性も否定できない

さらに、利益相反の懸念も指摘されている。報道によれば、トランプ大統領の家族が所有する関連企業が現在市場に流通するTRUMPの80%を保有しており、自身の影響力を利用してTRUMPの価値を高めることで、個人的な利益を得る可能性も指摘されている。

公職者が職務を利用して私的な利益を得ることは、倫理規定に違反する可能性や投資家保護の観点からも問題視される可能性がある。特に、大統領職を利用して市場価格に影響を与え、仮に違法性が認められた場合の責任追求は厳しくなるだろう。

この問題は政治的な影響も伴う。過去の事例では、公職者の倫理違反や利益相反が政治問題化し、弾劾の対象となったケースがある。たとえば、1998年にはビル・クリントン大統領が虚偽証言および司法妨害の疑いで弾劾裁判にかけられた。トランプ氏の行為が「公的職務を私的利益のために利用した」とみなされた場合、政治的責任の追及が行われる可能性も否定できない。

今回の問題は、単なるミームコインの宣伝にとどまらず、贈与の勧誘禁止や利益相反、外国からの資金流入など、広範な法的問題を孕んでいる。司法省および政府倫理局の調査結果次第では、TRUMPの販売停止や返金措置だけでなく、トランプ氏自身に対する法的責任の追及が行われる可能性もある。今後の調査の進展が、この問題の行方を左右することになるだろう。

参考:発表
画像:Shutterstock

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