共和党の大統領候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は12日、Web3.0プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)」の正式な開始日を発表した。
トランプ氏はXの公式アカウントで「9月16日午後8時、Twitter Spaceでワールド・リバティ・ファイナンシャルの立ち上げライブに参加してください」と投稿した動画で述べた。
「私たちは暗号資産(仮想通貨)で未来を受け入れ、時代遅れの大手銀行を置き去りにする」と主張した。
ドナルド・トランプ氏とエリック・トランプ氏は8月7日、暗号資産とDeFiに関連したプロジェクトの発表をほのめかしていた。
9月3日、米CoinDeskはワークショップで検討されているホワイトペーパーについて報じた。同プロジェクトは分散型金融プラットフォーム・Aaveとイーサリアム上に構築され、クレジットアカウントシステムを軸に据えるとしている。
トランプ氏は今年の大統領選で再選を目指している。これまで否定的な姿勢を取っていた暗号資産コミュニティを歓迎する姿勢をみせている。
今夏初めのビットコイン2024カンファレンスでも大統領選に勝利したら、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を解任すると明言した。また、米国が保有する21万3,000のビットコイン(BTC)の売却を阻止するとも発表した。
今月初め、DeFiプラットフォームであるドロマイトの共同設立者コーリー・カプラン(Corey Caplan)氏がワールド・リバティ・ファイナンシャルの顧問に任命された。
その直後、同プロジェクトはセキュリティを最優先課題とし、ステーブルコインの採用を推進したいと表明した。
プロジェクトはテレグラムの専門チャンネルに「我々は冒険を冒すつもりはありません。Zokyo、Fuzzland、PeckShield、BlockSecTeamなど、世界でもトップクラスのセキュリティ専門家と協力しています。我々のコードは、これらの業界リーダーにより徹底的にレビューされています。我々はベストプラクティスを活用し、ユーザーのセキュリティを最優先に考えているのです」と投稿した。
これらは、ララ・トランプ(Lara Trump)氏とティファニー・トランプ(Tiffany Trump)氏のXアカウントがハッキングされ、ワールド・リバティ・ファイナンシャルと関連があるとされるトークンについて投稿された2日後に起きた。
Web3.0プロジェクトで逆転できるか
下院金融サービス委員長の民主党筆頭議員であるマキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)議員は今週、トランプ氏のWeb3.0プロジェクトを批判した。
「DeFiは効率性と透明性の向上を目指しているが、ハッキングや詐欺、不公平な情報、利益相反などのリスクも高まり、消費者や投資家に損害を与える可能性がある。エリック・トランプ(Eric Trump)氏とドナルド・トランプ氏が立ち上げを計画しているワールド・リバティ・ファイナンシャルという新しいDeFiベンチャーで、このことが実際に起こることを我々は見ることになる」と述べた。
10日、カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領とのCNNテレビ討論会で劣勢を強いられたトランプ氏がWeb3.0プロジェクトで逆転することに最後の望みを賭けている。大統領選挙の風はハリス氏に吹いていることから、プロジェクトの進捗にも何らかの影響が出る可能性がある。
参考:トランプ氏
画像:Shutterstock
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