米国ワシントン西部地区地方裁判所のリチャード・ジョーンズ(Richard Jones)連邦判事は6日、バイナンスの創設者で元CEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao=CZ)氏のマネーロンダリングに対する有罪答弁を受理した。
裁判所へ提出した書類のなかで、ジョーンズ判事は銀行秘密法違反の1件に対するCZ氏の有罪答弁を受け入れたと述べた。
またCZ氏は現在、 1億7,500万ドル(約254億円)の保釈金を支払って釈放されており、アラブ首長国連邦(UAE)の家族の元へ帰国する許可を求めていたが、来年2月23日の判決まで米国に留まるよう指示されているという。CZ氏は最長で18ヵ月の懲役が科せられる可能性がある。
米国当局は身柄引き渡しが困難になる可能性について懸念を表明していた。米国とUAE間では犯罪者の身柄引き渡し条約が結ばれていない。CZ氏は「私はUAEから米国に来ることで自分の行動の責任を取った。逃亡の危険はない」と主張している。
CZ氏は連邦規制当局による長年にわたる捜査を受け、先月マネーロンダリング対策と制裁違反で有罪を認めた。バイナンスは史上最大規模の和解金として43億ドル(約6,250億円)を支払うことに同意していた。CZ氏は1億5,000万ドル(約218億円)の罰金を支払うことに同意し、バイナンスのCEOを辞任した。
CZ氏は先週、バイナンスUSの取締役会長も辞任し、バイナンスUSの経営から完全に退くことを明らかにした。バイナンスUSは今後、米法律を完全に遵守した経済活動を行っていくとしている。
バイナンスの新CEOに就任したリチャード・テン(Richard Teng)氏はコンプライアンスのギャップは完全に過去のものであり、暗号資産取引所は現在、まったく違ったものになっているという。和解の一環として、CZ氏はバイナンスの業務に一切関わりを持つことができないと述べていた。
参考:発表
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