
忖度もなく、なおかつ公平な視点で、私は現在までに日本で行われたIEO事例のなかでもIDOL3.0 PROJECTが最も成功事例に近い存在だと個人的に思っている。
何を持って成功かというと人によって意見がわかれるだろうが、私は現状のフェーズを踏まえると「Web3.0の参加人口を増やせたかどうか」だと考えている。一般層を巻き込み、大衆が触れているものに実はWeb3.0が関連していた、という形で輪を広げていくことこそが次なるモデルケースの誕生につながり、それが相乗効果を生んで業界全体を発展させると思うからだ。
すでにこれだけの話題を呼びユーザーをWeb3.0領域にさり気なく参加させているという点でWeb3.0領域の発展に少なからず寄与していると思う。
もちろんプロジェクトの今後の動向次第ではこれらの考えを訂正しなければならない可能性はある。
事実、メンバーが正式に決まる数日前、ある芸能関係者は「まだ決まっていないことが想像以上に多いと聞くし、プロジェクトが予定通り進むかは不透明な部分もある」とこぼした。またメンバー決定後、プロジェクトに近しい関係者も同様に「メンバーは決まりましたが、ここから調整しないといけないことは山積み。これからデビューまでに一層慌ただしくなるでしょう」と語った。
とはいえ、これはどのようなプロジェクトにもいえることだ。複雑な事情が絡みあう芸能関係であればなおさらのこと。現時点では際立って深刻な遅れなどもないため、引き続き注視していきたいところだ。
メンバー決定後に行われた報道関係者向けのレセプションパーティ。そこでオーバースの代表取締役である佐藤義仁氏に心境をうかがった際、安堵した表情を浮かべていたことがとにかく印象的だった。同時に、「しっかりデビューさせるまでは気が抜けません」と、すでに視線は先を見据えていた。
IDOL3.0 PROJECTはファン活動や運営システムなど、あらゆるものの“アップデート”を掲げる。これらのなかには“Web3.0の概念のアップデート”も含まれていると個人的には考えている。
Web3.0領域発のアイドルプロジェクト。これまでにない仕掛けと発想であらたな時代にふさわしいアイドル像をみせてもらいたい。
画像:Iolite、オーバース公式素材及び発表より引用
Profile
◉Shogo Kurobe
2018年より暗号資産業界に参入。学生時代に文章を学び小説執筆などを行ってきた経験から暗号資産やブロックチェーンに関する記事執筆及び企画・編集に携わる。株式会社J-CAMで2022年4月より副編集長に就任し現職。2023年3月に「Iolite(アイオライト)」創刊。
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