——暗号資産領域への事業展開の可能性はありますか?
Cummer: ペイディはペイパルの傘下です。ペイパルはすでに世界的な決済会社としての地位を確立しており、独自のステーブルコインを発行しています。
従って、私達が具体的に発表できることはありませんが、暗号資産やステーブルコインはペイパルにとってこれからも重要なツールとなるでしょう。
ペイパルは私達のビジネスにとって非常に優れたプラットフォームであり、彼らは私達のビジネスを理解し、成長を支援してくれるだろうと考え、ペイパルにバイアウトしました。
数字はいえませんが、ペイパル傘下になったことで会社自体は大きく成長することができました。
もちろん独自で日本の市場に上場することも可能だと思いましたが、ペイパルからのオファーを伺うと、より大きなプラットフォームに参加するのは自然な流れであるという結論に至ったのです。
ちなみに、BNPLサービスでは、ほぼ同時期にスクエアがアフターペイを買収しています。ペイディにとって、ペイパルグループに入ることが事業として非常に大きな成長が期待できると考えました。
——バイアウトではなく、国内上場の選択肢はありましたか?
Cummer: 日本での上場も選択肢の1つでした。一方で、上場はビジネスを成長させる唯一の方法ではないことも起業家は理解すべきであると思います。
これは日本のエコシステムにとっても重要なことです。私達のBNPLサービスというビジネスは、大きな市場と提携することで意味を成します。
今となってはペイディが成功するとわかっていたというのは簡単ですが、実際にはそうではありませんでした。
お客様がサービスを好んで使ってくださったのは、オンラインショッピングにおいてたくさんの課題があったからです。ソリューションを生み出しても、真の問題がなければ、ビジネスは成り立たないことを起業家はしっかりと理解する必要があると思います。
ペイディ創設当時、私達のミッションとして代引きの課題解決がありました。すべての電子商取引業者、たとえAmazonであろうと小規模なショップであろうと関係ありません。
代引きよりも優れた決済サービスを市場が必要としていたのです。代引きは誰にとっても面倒臭いし、問題はクレジットカードを使いたくないがために代引きを利用する人々が存在したことです。
電子商取引業者にとっても面倒だし、消費者にとっても代引きは面倒なことだったのです。
そこで私達はその問題を解決するためにペイディを提供したのです。決済時は代引きと同じくらい簡単ですが、クレジットカードと同じくらい強力なツールです。
加盟店にとっては、払い戻し、入金保証、分割手数料無料(口座振替・銀行振込のみ)の分割払いが用意されており、クレジットカードのように見えますが、実際は異なります。