イベントの開幕を飾る最初のセッション「Opening Talk & Fireside chat」では、主催者であるJapan Blockchain Week代表の藤本真衣氏と、7月1日付でBinance Japanの代表取締役に新任した豊崎亜里紗氏による対談が行われた。あらたなリーダーのもとで、Binance Japanが描く今後のビジョンについて深掘りする場となった。

豊崎氏は大学でコンピューターサイエンスを専攻し、分散型システムを学ぶなかでブロックチェーン技術の可能性を見出したという。
大学卒業後は外資系証券会社でのデリバティブトレーダーや、Googleでの検索商品の開発及び商品戦略を経て、2021年からDeFi領域に本格参入。過去5年間にわたりDeFiデリバティブ市場「Cega Finance」の開発を手がけ、2025年に事業売却を完了させている。
数あるオファーのなかからBinance Japanのトップを選んだ理由について、同氏は「ブロックチェーン技術の社会実装」をあげた。DeFiの領域で一定の成果を残したものの、業界の規模感に課題を感じ、社会実装を進めるためにはより広く技術を普及させる必要があると判断したという。
日本の金融庁からライセンスを取得し、確固たる信頼の基盤を築いているBinance Japanであれば、「世界最大の流動性と日本での信頼を両立させながらビジョンを展開できると確信した」と語った。
続いて豊崎氏は、日本で拡大を続けるBinance Japanならではの強みと、今後の成長に向けた「3本の柱」を提示した。現在同社は国内最多となる66銘柄を取り扱っており、過去半年間における円建てのビットコイン(BTC)及びイーサリアム(ETH)の取引量で国内No. 1を記録している。
今後の成長戦略として掲げた3本の柱は以下の通りである。
- 信頼の基盤強化:当局との関係性を引き継ぎつつ、ユーザーのオンボーディングをより滑らかにし、安心して利用できる環境を整備する。また、暗号資産を短期的な投機対象としてではなく、ポートフォリオの5〜8%を長期的に割り当てる「長期的な資産クラス」として定着させる認識作りを行う。
- PayPayとの協業:昨年末から開始したPayPayとの協業を通じ、日々の生活へのデジタル資産の組み込みを推進する。NISAの普及やインフレの波が訪れるなか、暗号資産への認知と理解を広め、あらたな資産クラスとしての認知拡大を図る。
- 日本市場に合わせた製品展開:グローバルグループの強みである多種多様な製品展開を活かしつつ、日本のユーザーのインサイトを吸い上げたプロダクト開発を行う。今後はあらたな資産クラスやライセンスの取得も検討していく。
最後に豊崎氏は、現在の暗号資産市場について「マスアダプションへ向かう節目にある」と見立てを示した。今後の日本の税制や規制の改正がユーザーの行動を大きく後押しすると語り、「アップダウンが激しい業界ではあるが、めげずに技術への信用と明確な目的を持つことで、これから伸びる時にすばらしい機会が訪れる」と強調した。
参加者をアーリーアダプターと称賛し、業界の未来をともに作り上げていこうと力強く呼びかけた。
