国民民主党代表の玉木雄一郎氏は、日本におけるWeb3.0及び暗号資産政策の現状と今後の方向性について言及した。これまで同党は、Web3.0関連ビジネスを政策面から支援してきた経緯があり、同氏も継続的に業界との連携を図ってきたという。

まず玉木氏は、現在の環境について非常にエキサイティングな時代であると位置づけた。米国では関連法整備が進み、クラリティ法も重要な局面を迎えている。一方、日本でも暗号資産の売却益に対する課税が見直され、従来の最大55%から、株式などと同様の20%分離課税へと移行する方針が示された。
しかし、日本の競争力は過去と比較して大きく低下している。2017年にはビットコイン取引の約半分が日本で行われていたが、現在では数%にとどまる。その背景には、高い税率と複雑な税制、そしてETFの未整備といった制度的課題があったと指摘する。こうした状況を改善するため、同氏は与党とも連携しながら法整備を進めていると説明した。
一方で、最大の課題としてあげたのが「政策実行の遅さ」である。仮に2026年に法改正が成立しても、実際の適用は2028年になる見通しであり、このスピードでは国際競争に対応できないと強調した。
本来であれば2027年からの適用も可能であり、制度の前倒しが必要だと訴える。あわせて、ETFの解禁やレバレッジ規制の見直しについても言及し、現在2倍に制限されている個人レバレッジを10倍程度まで引き上げるなど、ビジネス環境の改善を進める必要性を示した。
また、認知面の課題として「暗号資産」という名称にも言及する。現状の呼称にはネガティブな印象が残っているとして、「デジタルアセット」への名称変更を提案。より広い社会受容を促すべきとの考えを示した。
中長期的な視点では、「金融のオンチェーン化」が不可避の潮流であると指摘する。インターネットによって取引がオンライン化したように、今後は金融そのものがブロックチェーン上に移行していくとし、Hyperliquidのような少人数で高収益を生み出す事例をあげながら、あたらしい市場の可能性に言及した。
玉木氏はこれまで東京証券取引所の株式会社化やPTS導入にかかわってきた経験にも触れ、「市場の効率化とデジタル化は今後さらに重要になる」と指摘。オンチェーン化によって証券会社や銀行の役割そのものが変化し、市場構造の再編につながる可能性があるとの認識を示した。
こうした変化に対しては、リスクではなく「成長機会」として捉えるべきだと強調する。現在、日本では暗号資産口座数が1,300万を超え、約10人に1人が保有する規模に達している。今後は不動産やエネルギーなどのリアルアセットもトークン化され、巨大市場へと発展する可能性があると分析した。
重要なのは、これらの動きを規制によって抑制するのではなく、適切に後押しすることである。日本の政策は後追いになりがちだとしつつも、「未来を先取りし、先手でルールを作る」姿勢の必要性を訴えた。

また、新技術に伴うリスクについても言及。イーロン・マスク氏の発言を引き合いに、「一定のリスクがあっても、全体としてメリットが大きいのであれば導入すべき」との立場を示した。日本では小さなリスクでも導入が止まりやすいが、それでは成長は実現できないと指摘する。
最後に、同党の特徴として意思決定の速さと柔軟性をあげ、新分野への積極的な対応を進めていく姿勢を強調した。あわせて、現役世代・若年層を重視する政策にも触れ、「未来を担う世代への投資が日本の成長につながる」と述べた。
Web3.0及び暗号資産分野については、海外に流出していた人材やビジネスが国内に回帰すれば、税率引き下げが結果的に税収増につながる可能性もあると指摘。若い世代の挑戦を後押しすることで、日本経済の再成長を実現したいと締めくくった。