「令和の金融ビッグバン」へ挑む日本のWeb3.0——金商法移行とオンチェーン金融により描かれる日本の針路 「WebX2026」を徹底レポート

2026/08/12 18:00
Iolite 編集部
文:Shogo Kurobe
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「令和の金融ビッグバン」へ挑む日本のWeb3.0——金商法移行とオンチェーン金融により描かれる日本の針路 「WebX2026」を徹底レポート
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目次

  1. 「WebX2026」開幕――国内のWeb3.0環境はあらたなフェーズへ
  2. WebX2026との相乗効果で日本のイノベーションエコシステムの発展に期待 ─ 高市早苗首相
  3. ブロックチェーンなどが日本経済の成長を支える重要な基盤になり得る ─ 萩生田光一衆議院議員
  4. Web3.0を実社会の課題解決に直結させ「技術で勝ってビジネスでも勝ち切る」 ─ 赤澤亮正経済産業大臣
  5. 日本が「信頼できるAI」の思想を世界に普及させる「第3極」に ─ 松本尚デジタル大臣兼サイバー安全保障担当大臣
  6. 国際的なイノベーション創出を金融面から後押し ─ 片山さつき財務大臣兼金融担当大臣
  7. 自民党PTの提言が拓く「AI×ブロックチェーン」の新地平 ─ 平将明衆議院議員、神田潤一衆議院議員、蓮尾聡氏、齋藤正勝、久田哲史氏
  8. 信託型円ステーブルコイン「JPYSC」が目指す垂直統合の成長戦略 ─ 近藤智彦氏、渡辺創太氏、三浦和夫氏
  9. SBIが3大事業戦略で挑む「AI×Web3.0」の金融革命 ─ 北尾吉孝氏
  10. 令和の“金融ビッグバン”を起こしギガバンクを日本から生み出す ─ 木原誠二衆議院議員、河合健氏、保木健次氏、関口慶太氏
  11. 三者三様、2026年のビットコイン価格に異なる見立て示す ─ 仮想NISHI氏、長谷川友哉氏、松嶋真倫氏、高山上氏
  12. 3メガバンクのデジタル戦略と金融の未来像 ─ 磯和啓雄氏、山本忠司氏、上ノ山信宏氏
  13. 資産のトークン化と投資の未来 個人投資家と起業家の目線で異なる構造変化 ─ 渡辺創太氏、テスタ氏、各務貴仁氏
  14. ステージのネーミングライツを担った2社によるキーノートセッション
  15. CRYLキーノート「売らずに活かす暗号資産担保ローン」 ─ 段林由樹氏
  16. Binance Japanキーノート「日本市場の飛躍とイノベーションの未来」 ─ 豊崎亜里紗氏
  17. 2026年は「金融の年」、2027年開催ではさらなる挑戦へ ─ 渋谷詠太氏
  18. さまざまな未来と課題が示された2日間 業界は“大変革”に備える1年を迎える

「WebX2026」開幕――国内のWeb3.0環境はあらたなフェーズへ

アジア最大級のWeb3.0カンファレンス「WebX2026」が開催された。4年目の開催を迎えた本イベントは、暗号資産(仮想通貨)市場が「冬の時代」と呼ばれる厳しい環境下でありながらも、世界99ヵ国以上から13,000人を超える来場者が集結。さらに130社を超えるスポンサー企業や230人以上のスピーカー、70に及ぶメディアパートナーが参画し、熱気に包まれた。

オープニングでは一般社団法人WebX実行委員会会長の青木誠氏が登壇し、日本の整備された規制環境をグローバルへ発信する目的が改めて強調された。

業界内ではWeb3.0への関心低下もささやかれるが、前回の「WebX2025」から1年の間に国内情勢は著しく進展している。金商法(金融商品取引法)の改正により暗号資産が明確に金融商品と位置づけられ、20%の申告分離課税化の実現も目前に迫る。暗号資産サービス仲介業の制度設計も進み、国内の暗号資産保有残高は過去最高の5兆円を突破、口座数も1,400万口座を超えた。

さらに、「JPYSC」や「JPYC」といった日本円建てステーブルコイン、米ドル建てのUSDC等の流通が本格化し、ステーブルコインの実社会への実装が始まっていることなどをあげた。

また、次回「WebX2027」を2027年8月25日・26日に東京ビッグサイトへ会場を移して開催することも発表された。青木氏は「イベントを通じて業界をエンパワーメントし続ける」という強い決意を表明し、開幕を告げた。

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WebX2026との相乗効果で日本のイノベーションエコシステムの発展に期待 ─ 高市早苗首相

本イベントの開催に先立ち、高市早苗内閣総理大臣が開会挨拶としてビデオ登壇した。

高市首相はWebX2026について、多くのスタートアップ企業や投資家が参加することを念頭に置き「未来をフラットに語り合い、相互理解を深め、あらたなビジネス連携を創出する場として大変意義深い」と評価した。

また、高市内閣が2026年5月に取りまとめた「スタートアップ総力創出パッケージ」についても説明。政府系金融機関による資金供給強化を通じてスケールアップを加速させる方針を強調した。

高市首相は政府の取り組みとWebX2026のプラットフォームとの相乗効果により、日本のイノベーションエコシステムがさらなる発展を遂げることへ期待を寄せ挨拶を終えた。

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ブロックチェーンなどが日本経済の成長を支える重要な基盤になり得る ─ 萩生田光一衆議院議員

1日目には多数の国会議員が登壇し、それぞれの立場からWeb3.0の利活用について触れた。

まず、高市首相とともに開幕挨拶として登壇した自民党幹事長代行の萩生田光一衆議院議員は、自身が経産大臣時代にWeb3.0の可能性に着目し、党内にweb3PT(プロジェクトチーム)を立ち上げて税制改正を始めとするさまざまな政策提言を主導してきた経緯を述懐。ブロックチェーンやNFT等の革新技術が、デジタル社会における日本経済の成長を支える重要な基盤になり得ると強調した。

萩生田氏は2026年4月に政府から国会へ提出された金商法の改正案にも触れ、暗号資産を金融商品と明確に位置づけることで、利用者保護の充実と信頼できる市場形成を図る方針を説明した。また、専門用語が並びがちなWeb3.0分野において、一般層へ丁寧かつわかりやすく説明する「適切な言葉選び」の重要性についても持論を述べた。

国内外のリーダーや起業家、投資家が一同に集うアジア最大級のカンファレンスの意義を称え、「挑戦する民間の背中を押し、世界と戦える環境作りに全力を尽くす」と強い決意を表明した。

Koichi Hagiuda image

Web3.0を実社会の課題解決に直結させ「技術で勝ってビジネスでも勝ち切る」 ─ 赤澤亮正経済産業大臣

基調講演に登壇した赤澤亮正経済産業大臣は、Web3.0で活用されるブロックチェーン技術が金融分野にとどまらず、コンテンツ産業や地方創生など分野の垣根を超えてあらたな価値を創出する時代に入っていると指摘。経産省として、スポーツ分野での収益還元制度や地方課題解決におけるユースケース創出を推進してきた実績を説明した。

また、デジタルを“目的”ではなく“ツール”として捉える立場から、NFTの真価は「にっこりフェアな転売」を実現し、クリエイターへ正当な利益を還元することにあると強調した。

アニメやマンガなどのコンテンツ産業における海賊版対策を始め、Web3.0技術を実社会の課題解決に直結させ「技術で勝ってビジネスでも勝ち切る」ことの重要性を熱弁した。

具体的な取り組みとして、鳥取県八頭町で実施した地域コイン活用の実証事業や大阪・関西万博での活用例を紹介。さらに将来的な量子コンピューターによる暗号解読リスクに備え、検証金型支援を通じて安全性確保の技術開発を進めていることにも触れた。

最後に、参加者に向けて「知を結びつけ、日本が世界で勝ちきるためのイノベーションを起こしてほしい」と強い期待を寄せた。

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日本が「信頼できるAI」の思想を世界に普及させる「第3極」に ─ 松本尚デジタル大臣兼サイバー安全保障担当大臣

また、同じく基調講演を行った松本尚デジタル大臣兼サイバー安全保障担当大臣は、日本の経済安全保障や成長戦略における政府の取り組みを説明。高市内閣において、危機管理投資を始めとする官民連携の戦略的投資を進め、低迷してきた潜在成長率を引き上げる方針を示した。

高市内閣では成長戦略として、デジタル、サイバーセキュリティ、AI、半導体、量子など17の戦略分野を設定。2040年度までに累計370兆円規模の官民投資を見込んでおり、国・地方のAX(AIトランスフォーメーション)やDX基盤の高度化、クラウドデータセンターの整備などを加速させると述べた。

特に産業競争力や安全保障に直結するAI領域に関しては、米中の巨大IT企業に対抗しつつ、日本が「信頼できるAI」の思想を世界に普及させる「第3極」としての役割をはたす意向を表明。2027年以降の「AIサミット」の日本招致に向けた外交活動を展開していることを明かすとともに、イノベーションとリスク管理を両立し、世界で最もAIを開発・活用しやすい環境を整備していく意気込みを語った。

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国際的なイノベーション創出を金融面から後押し ─ 片山さつき財務大臣兼金融担当大臣

片山さつき財務大臣兼金融担当大臣の基調講演では、前年のイベントからの1年間を振り返り、オンチェーン金融の社会実装が飛躍的に進展した点が強調された。

片山大臣は国内におけるJPYSCを始めとする日本円建てステーブルコインの発行・流通や、トークン化預金の地域通貨としての発行事例、さらには国際的な共同プロジェクトへの国内金融機関の積極的な参画を具体的な実績としてあげた。

また、こうしたオンチェーン化の動きは単なる決済手段の効率化にとどまらず、多様な金融資産の取引へ波及していると言及。なかでも国債のオンチェーン化には極めて大きな期待と注目が集まっており、権利移転や管理を分散型ネットワーク上で行うことで、レポ取引などの国債担保取引を24時間365日リアルタイムで実施可能になる潜在性を指摘した。片山大臣によれば、現在、国内の大手金融機関らが連携した実証実験が着実に進められているという。

こうした民間の取り組みを強力に後押しするため、金融庁が2025年11月に立ち上げた支援枠組み「PIP(決済高度化プロジェクト)」を紹介。すでに3メガバンクによるステーブルコイン活用型のクロスボーダー決済円滑化、トークン化預金に伴う銀行間決済の高度化、ブロックチェーンを活用した証券決済の高度化という3つの先進的なプロジェクトが推進されていると説明した。

さらに、物流・商流・決済の一体的な連携が経済全体の生産性を引き上げる可能性に触れ、貿易分野などを具体例にあげた。高市内閣が掲げる「強くて豊かな日本」の実現に向けて、システムを支えるインフラ整備が不可欠であるとし、国際的なイノベーション創出を金融面から後押しする強い意向を示して講演を締めくくった。

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自民党PTの提言が拓く「AI×ブロックチェーン」の新地平 ─ 平将明衆議院議員、神田潤一衆議院議員、蓮尾聡氏、齋藤正勝、久田哲史氏

昨今、金融のオンチェーン化に関する議論が加速するなか、今年のWebX2026はまさにこのテーマが主となった。初日に行われたセッション「オンチェーン金融の現在地――政策・市場・技術が描く日本の針路」では、政治、証券、暗号資産交換業、テクノロジーの各分野からトップランナーが集結し、議論を交わした。

登壇者は、自民党デジタル社会推進本部のAIオンチェーン金融PTで中心的な役割をはたす平将明衆議院議員及び神田潤一衆議院議員に加え、証券システムを提供するトレードワークスの齋藤正勝氏、コインチェックの蓮尾聡氏。モデレーターはDatachainの久田哲史氏が務めた。

自民党が2026年に取りまとめた「AIオンチェーン金融構想PT」の提言について、平氏は創設の背景を説明。2025年のダボス会議での議論を通じ、将来的にAIエージェント同士が金融取引を行う時代には、「プログラマビリティを持つステーブルコインや分散型ネットワークが不可欠になると確信した」と語った。専門性の高い議員が集まり2ヵ月で策定した同提言は、メガバンクや金融庁にも大きな衝撃を与えたという。

日銀及び金融庁出身の神田氏は、堅牢な既存決済システムと新技術の相互運用性の確保が課題としつつも、AIの進化による決済自動化が制度構築の強力な推進力になったと分析した。

市場・技術の観点から齋藤氏は、米国の株式トークン化や決済期間短縮の動きに触れ、AIエージェント時代におけるデータの真正性担保として、重要証跡をオンチェーンに残す仕組みの重要性を指摘。

また、蓮尾氏は金商法改正等の環境整備を歓迎し、アセットのオンチェーン化が進むなかでユーザーが安心して取引できる環境作りに意欲を示した。

さらに、セッションのなかで神田氏は金商法改正の成立に続く税制改正や、今後2〜3年を見据えたDeFiの法制化という次なる課題へ言及。加えて平氏は、日本が学習しやすく実装しやすい「AIフレンドリーな環境」を強みに、アジアや世界に向けてオンチェーン金融の構想を発信していく意向を示した。

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信託型円ステーブルコイン「JPYSC」が目指す垂直統合の成長戦略 ─ 近藤智彦氏、渡辺創太氏、三浦和夫氏

オンチェーン化の議論において軸となっているのがステーブルコインだ。そのステーブルコインに関する注目セッションとして、「JPYSCが描く信託型円ステーブルコインの未来 — 決済インフラとしての可能性と課題」が行われた。

登壇したのは、共同開発を主導するSBIホールディングス傘下・SBI VCトレードの近藤智彦氏と、Startaleグループの渡辺創太氏。モデレーターはシンプレックスの三浦和夫氏が務め、2026年6月に発行・取り扱いが開始された国内初の信託型日本円ステーブルコイン・JPYSCの真価と狙いについて議論が交わされた。

冒頭、近藤氏はセッション開幕にあわせ、JPYSCのレンディングサービスを週内より募集開始することが発表した。3ヵ月で年率3%相当の利回りを提供する本サービスについて、「ステーブルコインだからこそ実現できた画期的なサービス」と強調した。

渡辺氏は、日本円ステーブルコインの活用において単純な日常決済よりも先にアセットマネジメントの領域で大きな需要が生まれると分析。日米の金利差を活用したキャリートレードなど、海外投資家が数秒単位でオンチェーン上の日本円を用いて資産運用を行える環境を構築することが、国際市場における日本円のプレゼンス向上につながると語った。

また、JPYSCの発行形式で信託型を選択した理由について、近藤氏は「100万円の送金・保有制限がない点が決定打」と説明。USDC等の資金移動業型ルールで生じる大口取引の不便さを解消し、法人間決済や大口資金移動のニーズに直接対応できる強みを強調した。

現在はSBI VCトレードの口座内限定での取引にとどまるが、今後はルール整備を進め、早期の出庫解禁を目指す構えだ。

単体ビジネスにとどまらない成長戦略として、渡辺氏は独自のRWA(現実資産)のトークン化に焦点を当てたブロックチェーン「Stream(ストリウム)」やウォレット、アプリケーションを含めた「垂直統合」を提示。株式やIP(知的財産)のトークン化が進むにつれ、その配当金や分配金の決済手段として日本円ステーブルコインの需要が爆発的に高まるとの予測を示した。

また、AIとの掛け合わせについても言及。物理的な銀行口座を持てないAIエージェントにとって、ブロックチェーンのウォレットアドレスが自律的な経済活動を営む口座の役割をはたすとし、高度なプログラマビリティを持つオンチェーン金融との高い親和性について語った。

今後の目標について、両氏はJPYSCに焦点を当て言及。早期のパブリックチェーン上での流通を前提に、2026年度末までに発行体・流通規模で1,000億円超、3〜5年内には1兆円の発行規模を目指すと述べた。

その上で、渡辺氏は「世界とのスピード勝負に勝ち、ソフトウェア領域における日本の国際的プレゼンスを力強く高めていく」と力強く宣言しセッションを終えた。

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SBIが3大事業戦略で挑む「AI×Web3.0」の金融革命 ─ 北尾吉孝氏

WebX2026の最注目セッションの1つとして行われたのが、SBIホールディングスの北尾吉孝氏による基調講演だ。

北尾氏は「革新的テクノロジーの潮流とSBIグループの取り組み」と題し、2026年が歴史的な大転換点になるとの認識を示した上で、AIとWeb3.0を融合させた独自のグループ戦略を力強く持論として展開した。

北尾氏は冒頭、現代の国際情勢を背景に「テクノロジーが戦略兵器化した」と指摘。地政学的リスクの高まりのなかで民間企業の技術が国家安全保障の中核と重複する時代が到来したと分析した。その上で、SBIグループとして「完全なAIドリブン組織への移行」「オンチェーン金融への進化」「ネオメディア企業の創設」を自身が主導する3大事業戦略として位置づけたことを明かした。

AI戦略においては、自動化と効率化を徹底的に推進するため、外部から専門人材としてRidge-i(リッジアイ)の柳原尚史氏を招き、社外取締役に選任した経緯を説明。Anthropicとの連携を深め、セキュリティの継続監視や最先端生成AIを活用した自律型「金融コンシェルジュ」の開発を進めている。一般のユーザーが金融知識を持たずとも、最適な資産形成やポートフォリオ実行が自動で行われる体験の提供を目指すという。

Web3.0とオンチェーン領域においては、従来のサーバー管理型からスマートコントラクトを活用した分散型ネットワークへの移行こそが金融の記録形式における根本的な転換点であると強調。株式や債券、預金などのあらゆる現実資産がトークン化される未来を見据え、グループとして「一気通貫」の暗号資産・デジタルアセット生態系をグローバル規模で構築していることを提示した。

具体策として、国内暗号資産取引所bitbankの買収を始め、シンガポールのCoinhako(コインハコ)、UAE(アラブ首長国連邦)のFacet(ファセット)、ドイツのSolaris(ソラリス)など世界各国のライセンス保有企業との連携例を紹介。また、Startaleの渡辺氏をSBIホールディングスの社外取締役に迎え、レイヤー1ブロックチェーン・Streamの開発や、国内初の信託型日本円ステーブルコイン・JPYSCの発行、Ripple社との協業などを加速させている。

さらに、既存のPTS(私設取引システム)の枠組みを超え、24時間365日即時決済を可能とする完全オンチェーンのあらたな取引所創設へも着手しているという。

最後に北尾氏は、金融・AI・メディアの融合を目指す「ネオメディア生態系」と「感情経済圏」の構築構想に触れ、フジテレビとの共創モデルなどIPバリューチェーン創出にも波及させていく姿勢を示した。「不合理な制度や古い慣習は徹底的に打破する」と言い切り、グローバル市場で圧倒的ナンバーワンを追求し続ける意気込みを語り、基調講演を締めくくった。

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令和の“金融ビッグバン”を起こしギガバンクを日本から生み出す ─ 木原誠二衆議院議員、河合健氏、保木健次氏、関口慶太氏

暗号資産を取り巻く動向で注目を集めるものの1つが規制動向だ。特に暗号資産の規制管轄を金商法へ移行する動きは業界内外より大きな関心を集めている。

2日目に行われたセッション「日本暗号資産市場は金商法でどう変わる? — 制度設計の最前線から読む業界の針路」では、法改正にかかわるキーマンたちが一堂に会し、日本の暗号資産市場の未来像を議論した。

登壇者は、自民党AIオンチェーン金融PTにおいて座長を務める木原誠二衆議院議員、金融規制に詳しいアンダーソン・毛利・友常法律事務所の河合健弁護士、一般社団法人日本デジタル分散型金融協会の保木健次氏の3名。モデレーターは日本経済新聞社の関口慶太氏が務めた。

まず金商法改正案について木原氏は、「暗号資産が投資商品として認知され投資家保護が進むこと、そしてブロックチェーンが金融の中心に入るオンチェーン金融のスタートラインに立つこと」と意義を強調した。

河合氏は法律の柱として、情報公表規制(開示規制)の充実とインサイダー取引規制の導入をあげ、情報の非対称性を解消する仕組みであると解説。保木氏は裏テーマとして「暗号資産ETF(上場投資信託)」の誕生をあげ、伝統的な機関投資家が参入可能な環境が整うと分析した。

グローバル規制との比較において木原氏は、「今回の改正は世界レベルでみても厳格でしっかりとした水準だ。ここから市場関係者がどれだけボリュームを取り戻せるかが試される。官の責任として市場を育てていく」と語った。

メリットと課題についても議論が及び、20%の申告分離課税化が「アメ」となる一方、自己資本規制比率や責任準備金の積立義務化がコスト(ムチ)になると言及した。

責任準備金について保木氏は「厳しすぎると海外へ資金が逃げる」と指摘し、木原氏も「適切なレベルに収束させる」と応じた。また、現在2倍のレバレッジ規制緩和についても木原氏は「流動性確保のため緩和は当然の方向」と前言した。

最後に木原氏は、党として提言した「24時間365日の自動化・連結化・AIエージェント化」に触れ、「令和の金融ビッグバンを起こしてギガバンクを日本から生み出し、金融で国を引っ張っていく。年度内に各省庁や日銀へフォローアップを求め実行に移す」と述べた。

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三者三様、2026年のビットコイン価格に異なる見立て示す ─ 仮想NISHI氏、長谷川友哉氏、松嶋真倫氏、高山上氏

暗号資産の相場動向に関するセッション「トップアナリストと語るビットコイン相場展望」では、国内金融機関や暗号資産取引所で活躍するアナリストが集結した。現在の市場環境を読み解き、2026年末に向けたビットコインの価格推移について多角的な議論を展開した。

登壇したのは、暗号資産アナリストの仮想NISHI氏、bitbankの長谷川友哉氏、マネックス証券の松嶋真倫氏の3人。モデレーターはBackpackの高山上氏が務めた。

冒頭、高山氏はビットコイン市場が史上最高値から大きく下落している現状について設営。トランプ政権による関税発動、2026年初頭の欧州における新金融政策を受けたゴールド(金)及びビットコインの急落、ハッキング被害の多発などを背景としてあげ、マクロ、オンチェーン、地政学・規制の3つの視点から要因を掘り下げた。

マクロ動向について仮想NISHI氏は、米国の利上げ観測の高まりが金利を持たないビットコインの下押し圧力になっていると解説。さらにリスクマネーがAIや宇宙産業へ流入している点を指摘した。

2026年6月に実施されたSpaceXの大規模IPOや、年後半に予定されるOpenAI、Anthropicの大型IPOを控え、ビットコインを売却してハイテク株へ資金を付け替える動きがETFからの資金流出として観測されていると述べた。

オンチェーンデータの観点から長谷川氏は、短期保有者の割合が歴史的な最低水準まで低下しており、2025年末以降は新規資金の流入が停滞していると分析。全発行量の約70%のビットコインが半年以上動いていない状況を示し、過去のパターンから典型的な冬の時代の特徴をあらわしていると説いた。

一方で、財務戦略としてビットコインを保有するDAT(デジタルアセット財務戦略企業)の残高は右肩上がりであり、Strategyを中心に買い増しが続いているものの、直近では一部売却の動きも散見され不安要素になっていると付け加えた。

地政学・規制動向にフォーカスを当てた松嶋氏は、米国とイランの軍事対立に言及。開戦直後は原油価格高騰やVIX指数の上昇がみられたが、暫定合意に伴い足元では楽観ムードが広がっているとした。

規制面では暗号資産の管轄を明確化するクラリティ法案の重要性を指摘。下院を通過し上院での審議を控えるが、ステーブルコインへの利息付与の可否や政府関係者の関与を規制する対立軸が存在し、8月上旬からの議会休会を前に審議の行方が注視されていると解説した。

さらに、今後の2026年末の価格展望において、3人の見解は明確にわかれた。

  • 仮想NISHI氏の予想:50,000ドル(弱気)

ポリマーケット等でクラリティ法案の年内成立確率が35%程度まで低下していること、年末の中間選挙で共和党が敗北して政策推進力が低下するリスク、OpenAI等の大型IPOへ投資資金が流出することを理由にあげた。

  • 長谷川氏の予想:80,000ドル(強気)

半年以上動かないビットコインの割合が70%を超える状況は「冬の時代の最終局面に特有の現象」であり、売られすぎの水準にあると指摘。米国の戦費拡大に伴う財政懸念や債務上限問題の再浮上により、リスクヘッジとしてのビットコインの買戻しが進むと試算した。また、ノイズを除いたトリム平均インフレ率が2.4%で横ばいであることから、FRB(連邦準備制度理事会)が追加利上げを抑制する可能性も支えになると見立てた。

  • 松嶋氏の予想:60,000ドル付近(中立・横ばい)

リスクマネーのAI偏重は一時的であり、ハイテク株の調整を経て再び暗号資産へ資金が回帰すると予想。トランプ外交の不確実性に対して市場はすでに慣れており、無国籍アセットとしての価値が再認識される一方、暗号資産保有企業の倒産や大規模売却リスクが相殺し合い、レンジ内での推移が続くと分析した。

アナリスト間の見解の違いを通じて、弱気相場の裏で進行する規制整備や技術的仕込みの重要性が浮き彫りとなり、中長期的な市場の成長に対する期待を残してセッションは終了した。

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3メガバンクのデジタル戦略と金融の未来像 ─ 磯和啓雄氏、山本忠司氏、上ノ山信宏氏

WebX2026の2日目に行われた注目セッションの1つ「銀行はトークン化・暗号資産とどう向き合うか — 3メガバンクの未来戦略」では、日本の金融システムを牽引する3メガバンクのデジタル戦略トップが集結した。伝統的な金融機関がWeb3.0やオンチェーン金融へどのようにアプローチし、どのような未来像を描いているのかについて白熱した議論を展開した。

登壇したのは、三井住友フィナンシャルグループの磯和啓雄氏、三菱UFJフィナンシャル・グループの山本忠司氏、みずほフィナンシャルグループの上ノ山信宏氏の3名だ。

セッション前半では、デジタル決済手段として注目を集めるステーブルコインとトークン化預金のどちらが本命となるかが議論された。

三井住友フィナンシャルグループの磯和氏は「利用者が用途に応じて使いわけるものであり、双方に本命・対立という概念はない」と主張。クレジットカードやデビットカード、2次元コード決済を消費者が状況にあわせて選ぶのと同様に、プログラマビリティを持つ両決済手段を並行して開発する「両立戦略」を示した。

同行の提供する「Olive(オリーブ)」のように、裏側の法制度や仕組みを意識させずシームレスに利用できるユーザー体験の構築が重要であると強調した。

三菱UFJフィナンシャル・グループの山本氏も両立の立場を取りつつ、銀行側の視点として「トークン化預金は既存の信用創造機能や貸出・付利の仕組みと親和性が高く重要だ」と言及。一方で「ステーブルコインが銀行経済圏の外側で急拡大した場合、預金の流出による金融機能の低下を防ぐためにも、外部経済圏と接続するステーブルコインへの対応を怠ることはできない」と分析した。

みずほフィナンシャルグループの上ノ山氏は、「選択権は金融機関ではなくクライアント側にある」と指摘。チェンジコストを払ってでも新技術へ移行するに足る具体的なユースケースが未確立である現状を踏まえ、あらゆるニーズに対応できるよう両基盤を準備しておく必要性を説いた。

また、欧米のドル決済圏においてHSBCやJPMorgan Chaseなどが主導するグループ形成が進むなか、円決済圏におけるアプローチについて言及された。

3メガバンクが共同で協議会を立ち上げ推進する「3メガバンクステーブルコイン」構想について、磯和氏は大企業のCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を例に説明。グローバル企業の各拠点が時差やカットオフタイムの制約により生じる資金滞留を、24時間365日即時決済可能なブロックチェーン基盤へ置き換えることで、劇的な資金効率向上が見込めると解説した。

各行が個別にステーブルコインを発行して顧客に不便を強いるのではなく、共通インフラとして共同構築する意義を語った形だ。

上ノ山氏も決済を「インフラ」と定義し、共同で固定費を抑え持続可能なインフラを作ることが不可欠だと賛同した。

さらに、パブリックチェーンにおけるAML(資金洗浄防止)やKYC(本人確認)、反収法(犯罪収益移転防止法)への対応というハードルに対し、山本氏は「AIエージェントの介入により将来的な検証コストが肥大化するリスクがある」と懸念を示したものの、磯和氏は「ブロックチェーン上にトレース可能な過去の取引データが残るため、銀行間で共有化された共通KYCインフラやAIの監視モデルを導入できれば、むしろ現在の手作業より大幅な業務効率化が可能になる」と述べた。

話題は、株式や国債などのRWA(現実資産)をトークン化するオンチェーン金融へ展開した。

Web3.0という用語が一部の暗号資産・テック界隈にとどまっていたのに対し、オンチェーン金融が伝統的金融機関に自分事として捉えられている点について、磯和氏は「米国でのステーブルコイン残高増大や機関投資家の参入、さらにAIの急速な進化が重なり、技術と市場の機が熟した」と説明。AIエージェントが自動で資産を運用する時代が現実的になったことが、ゲームチェンジャーであると語った。

山本氏は「かつて2016年に実装したMUFGコインはスマートフォン決済との差別化やマネタイズができず時代早尚だったが、現在のオンチェーン金融はAIと統合されることで『金融システムのOS』そのものを刷新するインパクトを持つ」と説いた。

さらに、資産や取引がすべてプログラマブル化される未来における金融機関の収益構造の変化に及んだ。

磯和氏は「普段は預金残高ゼロで管理し、必要な瞬間だけ自動で借入れや運用を行う高度な資金効率化が実現すると、従来の『不要な預金を預かって稼ぐ』ビジネスモデルは成立しなくなる」と予見。上ノ山氏も「コマースや他サービスと金融の境界線が消失するなかで、銀行自身の立ち位置や価値提供の再定義が求められている」と述べた。

セッション終盤では、AIが決済や契約の主体となるエージェンティック・コマースについて意見が交わされた。

山本氏は「自社や子会社のサービスをGoogle等のAIエージェントと標準規格でつなぎ、企業間取引や個人向け金融アドバイスをシームレスに完結させる研究を進めている」と提示した。

一方で磯和氏は、日常的な小口決済や事務処理が自動化・エージェント化していく潮流を認めつつも、「人間の行動変容や大きな意思決定は、テキストデータや合理性だけで決定されるわけではない」と持論を展開。日常の雑務が高度にエージェント化されるからこそ、最終的な高額取引や重大な決断においては、人間の熱量や信頼感、対面でのコミュニケーションの価値がより一層高まるという対照的な未来像を描いた。

最後に3行の代表者は「競合関係にありながらも、日本の金融インフラの先進性を世界へ示すべく必要な領域では強固に連携していく」と表明し、セッションを締めくくった。

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資産のトークン化と投資の未来 個人投資家と起業家の目線で異なる構造変化 ─ 渡辺創太氏、テスタ氏、各務貴仁氏

WebX2026の最終盤に行われた特別対談セッション「テスタ × 渡辺創太 ― デジタル金融、ぶっちゃけ投資はどう変わる?」では、個人投資家のテスタ氏と、Startaleの渡辺氏が登壇した。モデレーターはCoinPostの各務貴仁氏が務め、投資の未来像を議論した。

テスタ氏は、前年の「WebX2025」以降、資産形成及び分散投資の一環として1億円分のビットコインを購入したことを改めて説明。法定通貨への信用不安に対するリスクヘッジとしての保有であり、足元の含み損にも焦らず中長期的に捉えていると語った。

また、株式市場の過熱感に対し、半導体関連など特定銘柄に偏る「指数の歪み」を指摘しつつ、需給とテクニカルを見極めて冷静に波に乗る重要性を述べた。

株式やRWAのトークン化について渡辺氏は、本質的な価値は「バックオフィスにおけるシステムコストの劇的な低減にある」と説明。米国で台頭するHyperliquidを例にあげ、13人のチームでNasdaqの10分の1に迫る取引高を処理している実績をあげた。

さらに、米SEC(証券取引委員会)の「プロジェクト・クリプト」などにより、24時間365日取引や小口投資、即時決済(DVP/T+0)がグローバル標準になると見通しを示した。

取引の全自動化やAIエージェントの台頭に対しテスタ氏は、市場のボラティリティが消失する懸念を示しつつも、「コスト削減や市場変革が起こる時期を読み解き、変化の直前にインフラ企業へ投資することが高い資金効率につながる」と持論を展開。また、ハッキングリスクに対処するため、物理的なゴールドなどの現物資産の価値も再評価されると指摘した。

最後に渡辺氏は、米国の50兆円規模のステーブルコイン市場に対し、日本はまだ100億円前後の規模である現状に言及。金商法の改正や20%の分離課税導入といった制度整備を追い風に、「ブロックチェーンとオンチェーン金融は日本が世界で上位を狙える数少ない領域。来年のWebXまでに日本のプレゼンスを引き上げ、アジア1位の市場を獲る」と宣言してセッションは幕を閉じた。

Sota Watanabe.Testa.Takahito Kagami image

ステージのネーミングライツを担った2社によるキーノートセッション

多角的な議論が繰り広げられたWebX2026だが、今回取り上げたセッションはいずれも「CRYLステージ」「Binanceステージ」にて行われた。

ここではメインステージのネーミングライツを行った2社によるキーノートセッションについても紹介する。

CRYLキーノート「売らずに活かす暗号資産担保ローン」 ─ 段林由樹氏

CRYL(クリル)によるキーノートセッションでは、同月ローンチされた暗号資産担保ローン「CRYL」のサービス説明と国内における同領域の潜在的が示された。

登壇したCRYLの段林由樹氏は、保有する暗号資産の活用法として暗号資産取引所での保管やレンディング、ステーキング以外の選択肢を提案。伝統金融の観点から法定通貨と暗号資産のサービス差に触れ、海外で主流となりつつあるStrategyのビットコインによる財務戦略や住宅ローン連携事例を紹介した。

海外の暗号資産担保ローン市場は約11兆円規模に達しており、日本国内でも税制課題等を背景に約1,000億円の潜在需要が見込まれるという。

同サービスは審査から融資までオンラインで完結し、ビットコインを担保に年利3.5%〜7%で最大10億円の日本円を調達可能。今後は強制決済リスクを緩和するプランの拡充も予定されており、売却せずに流動性を確保するあらたな金融インフラとして期待を集めている。

Yuki Danbayashi image

Binance Japanキーノート「日本市場の飛躍とイノベーションの未来」 ─ 豊崎亜里紗氏

Binance Japanのキーノートセッションには豊崎亜里紗氏が登壇。世界最大級の暗号資産取引所グループとしての圧倒的な流動性を強みに、国内最多となる66銘柄の取り扱いや、過去26週間連続でビットコイン・イーサリアムの現物取引高国内1位を獲得した実績を強調した。

さらに、PayPayとの資本業務提携やテレビCM放映を通じた信頼構築と認知拡大の取り組みを解説。金商法移行や暗号資産ETFの実現を見据える2026年〜2028年を「絶好の転換期」と捉え、暗号資産の金融インフラ化に向けて日本市場での一層の飛躍を宣言した。

Arisa Toyosaki image

2026年は「金融の年」、2027年開催ではさらなる挑戦へ ─ 渋谷詠太氏

2日間にわたりさまざまな議論が繰り広げられたWebX2026の締めくくりとして、WebX Co-Founderの渋谷詠太氏が閉会の挨拶を行った。

渋谷氏は、2023年のNFTブームから2024年のビットコイン現物ETF承認、2025年のDAT企業の台頭、そして金融機関や行政が本格参入した2026年までの4年間の歴史を回想。本年度はまさに「金融の年」であり、日本円ステーブルコインの認可や暗号資産の金商法移行に関する議論など、業界の大きな転換点になったと評価した。

また、相場の厳しさにも触れつつ、ビジネスマッチングの重要性を強調。2027年8月25日・26日に開催予定の次回「WebX2027」では、会場を東京ビッグサイトへ移し、規模を約2倍に拡大して挑戦を続けると発表した。最後に参加者やパートナー企業への深い感謝を伝え、WebX2026は閉幕した。

Eita Shibuya image

さまざまな未来と課題が示された2日間 業界は“大変革”に備える1年を迎える

3年連続で「ザ・プリンスパークタワー東京」が舞台となった今年のWebX2026も盛況のうちに幕を閉じた。

今年もJPYSCやJPYCを始めとする日本円ステーブルコインの発行・実用化、そして3メガバンクによる共通ステーブルコインの発行など、ステーブルコインに関する話題が中心となった。

その一方で、今年は昨年と異なり、より具体的なステーブルコインの活用や活用事例が示されたことが特徴的だ。

加えて、あらゆる金融活動をブロックチェーン上で実現する「金融のオンチェーン化」が今年の最大のテーマになったともいえる。主要閣僚や政治家、伝統的金融機関や大手エンタープライズ企業が数多く参加したことからも、Web3.0が既存金融や実体経済と強固に融合し始めた変化が明確となった。

同時に、マスアダプションを進めていく上での課題も浮き彫りになった印象だ。AI時代におけるデータ改ざんや巧妙化するハッキング等のセキュリティ対策、さらには金商法改正を受けた詳細な政省令の策定や暗号資産ETF解禁、税制改正といった日本のWeb3.0が世界で存在感を示し続けるための法整備など、まさに一刻の猶予も許されない課題へいかに迅速に取り組むかが今後の国内プレイヤーに求められる。

国内では規制環境の変化に伴い2028年を目安として訪れる“市場の大変革”に備え、各社は2027年末までにかけて準備を加速度的に行うフェーズへと突入する。2027年のWebXは、まさにその真っ只中で開催されることとなる。

はたして、国内のWeb3.0市場、そしてデジタル金融はどのような姿へと変わっていくのか。2027年開催までの業界動向に大きな注目が集まる。

画像:Iolite(Shogo Kurobe 、Shinichi Arima)


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