Return to Origin「子どもたちに教わった 好奇心が燃料の行動力」——Iolite Vol.1 編集後記

2025/11/04 15:34 (2026/05/29 17:55 更新)
八木 紀彰
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Return to Origin「子どもたちに教わった 好奇心が燃料の行動力」——Iolite Vol.1 編集後記

Editor’s Note 「子どもたちに教わった好奇心が燃料の行動力」

1月中旬、長崎にお誘いいただいて“NAGASAKI MIRAI PORT”の VRアート体験会に参加した。長崎の子どもたちに、メタバースに触れる機会を創るというコンセプトだった。私もWeb3.0領域を題材にしたメディアを運営しているため、ありがたい事にさまざまなイベントにお誘いいただく。しかし、子ども向けのWeb3.0領域のイベントはほとんど参加した経験がない。だからこそ、これを機に雰囲気を感じたいと思い参加させていただいた。

当日はお子さんだけで40名以上が参加していただろうか。VRの世界に初めて触れる子も多かっただろうに、本当にその世界観を楽しんでアートを描いている子どもたちをみて驚いた。私も最後の空き時間にVRアートを体験させていただいたが、絵心がない事を言い訳に大胆な絵が書けなかった。

制限なく広がるメタバースに絵を描くどころか、A4の画用紙でも余るくらい小さな絵を描いていた。モニターに映る自分の描いた絵が、周りからどのようにみられるのかを考えて手が止まったのかもしれない。いつからそんなにつまらない大人になったのだろうか。

大人になると、自分の力でどうにかなるモノとどうにもならないモノに向き合うことになるが、稀にどうにもならないとされていたモノが、どうにかなってしまうことがある。どちらかといえば論理的な思考をしているつもりではいるが、時にはデータを適切に無視する必要性があると思っている。

子どもの頃は空き地に生えていた大きな木の上に、ゴミ捨て場から調達した資材でお手製の秘密基地を作って遊んでいた。父親にこっぴどく叱られたが、電気ストーブの熱線にティッシュで作ったコヨリを近づけて、焦げ付くティッシュの音と匂いを楽しんだりもした。

どちらも20年以上経った今だからいえるようなことだが、好奇心が勝って身体が動いているあの頃の自分を、メタバースに躊躇なく大胆に触れる子どもたちに投影した。細かい事は大人たちに任せて、好奇心が先行する行動力を持った若者が「事を成す」のだ、という願望に近い偶像の輪郭がはっきりしたような気がした。

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