
2026年の幕開けとともに、ソーシャルメディアと金融の融合が加速している。イーロン・マスク氏率いるXは今週、新機能「Starterpacks」と「Smart Cashtags」を相次いで発表し、大きな注目を集めた。SNS大手が投じたこの一手は何を意味するのか──その背景と狙いを読み解く。
Starterpacksは、新規ユーザー向けに用意されたキュレーション型アカウント推薦機能である。数ヵ月をかけて世界中の各分野・各国の主要投稿者を選定し、1,000種類以上のカテゴリ別にリスト化した。新規参加者はこの中から興味に応じたトピックを選ぶことで、暗号資産を含む各分野の有力アカウントを即座にフォローできる仕組みとなっている。
暗号資産だけでなく、ミームコインやソフトウェア開発者など、いわゆる「Crypto Twitter(CT)」周辺の分野に特化したパックも複数用意されており、とりわけスパム投稿が蔓延していた暗号資産領域において、健全なアカウント発見体験の整備を意図している点がうかがえる。
一方のSmart Cashtagsは、投稿内で言及された株式や暗号資産などのティッカー記号に関連する情報を、リンクを通じてリアルタイムに参照できるようにする機能だ。ドル記号「$」に続けて銘柄コードを入力すると、候補となる資産の一覧が表示され、そこから意図する資産を選択できる。投稿が公開されると、そのティッカーはクリック可能となり、タイムライン上で該当資産の価格チャートや関連投稿を一画面で確認できるようになる。
プロダクト責任者のニキータ・ビーア氏は、「X上で読まれる情報を元に動かされる資金は数千億ドル規模」と語り、情報プラットフォームとしての存在感を一段と高める構想を示した。実際、暗号資産関連の情報をXで取得しているユーザーは多く、情報と金融の接点をより直感的に提供するという意味で、ユーザー体験を向上させる良策といえるだろう。