Web3.0セキュリティ企業KEKKAIは23日、シードラウンドで2.3億円の資金調達を行ったと発表した。出資者はSBI、アニモカブランズ、Gumi、MZ Cryptoが共同出資している「Decimaファンド」や、グローバルにWeb3.0プロジェクトへ投資を行っている「Bixin Ventures」、「Sora Ventures」、「Plug and Play」ら14の投資家となる。
KEKKAIは現在、個人ユーザー向けに2万人のユーザーを持つPC用ブラウザ拡張機能「KEKKAI Plugin」を提供。法人向けには「KEKKAI SDK/API」と、新事業であるコード監査事業「KEKKAI Audit」を提供する。
「KEKKAI Audit」はブロックチェーン上に構築されたdAppsや、スマートコントラクトのハッキングリスクを含む脆弱性をデプロイする前にKEKKAIがレビューし、その結果やセキュリティスコアをまとめたレポートを作成するサービスとなる。
新サービスとしてブラウザアプリ「KEKKAI Mobile」をリリース
また、KEKKAIは今回あらたにWeb3.0セキュリティを標準搭載したブラウザアプリ「KEKKAI Mobile」をリリースしたことも発表した。
「KEKKAI Mobile」はあらたなセキュリティ体験を提供する無料のWeb3.0ユーザー向けブラウザアプリ。個人のユーザーを暗号資産のハッキングや流出被害から守ることを目的としており、トランザクションの実行時や署名時にその内容を詳細にシミュレーション、分析し、その取引の内容やリスクをユーザーに通知する。
▶︎KEKKAI Mobileの特徴:KEKKAIプレスリリースより引用
KEKKAIは従来のスマートフォンでのWeb3.0体験はウォレットのセキュリティ機能に依存する形になっていたと指摘する。さらに、ブラウザ版を利用するKEKKAIユーザーからスマートフォンでのセキュリティが不十分かつ不安という相談や要望を受けていたこともあり、ブラウザアプリを開発するに至ったと述べる。
今回発表した「KEKKAI Mobile」ではあらたにポイント機能が実装されている。ポイントはKEKKAIを使用して暗号資産等の取引を行ったり、友人にKEKKAIを紹介することで獲得できるという。獲得したポイントはアイテムと交換できるほか、保有分に応じた特典が定期的にもらえるなどといったシステムを実装している。
今回調達した資金は、これらのサービスをさらに充実したものにするべく使用する。具体的な用途としては、「コンシューマー向けセキュリティプロダクトのアップデート」「市場のセキュリティリテラシー向上を目指したマーケティング施策の実施」「Auditなど事業者向けセキュリティ・サービスの事業拡大」をあげる。
加えて、事業拡大を見据えたあらたなメンバーの雇用機会創出も図るとしている。今後、マーケター・ToBセールス・HR・エンジニア・Web3.0リサーチャーなどの採用を強化する方針だ。
2023年に創業したKEKKAIは「誰もが安心できるWeb3を」というビジョンを掲げ、個人・事業者両方に向けたセキュリティ・サービスを展開している。
創業間もない昨年2月には、プレシードラウンドにおける資金調達でスカイランドベンチャーズ(Skyland Ventures)より5,000万円の資金調達を行った。
参考:発表
画像:発表より引用
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