デジタル資産の発行・管理基盤である「プログマコイン(Progmat Coin)」を手がけるProgmat, Incは2日、同日に実施した株主総会及び取締役会の決議によりあらたな経営体制で運営を開始すると発表した。
代表取締役 Founder and CEOには三菱UFJ信託銀行の齊藤達哉氏が就任する。同氏はこれまでプログマコインの運営で中心的な役割を担ってきた。
このほか、取締役CFO and CROとして石山進氏、CTOに戸辺勝俊氏、CSOに竹澤友輔氏が就任。非常勤の取締役としてLayerXの代表取締役CEOである福島良典氏やアンダーソン・毛利・友常法律事務所のパートナー弁護士である河合健氏らが名を連ねた。
Progmatは経営メンバーの選任について、デジタル資産に対してグローバルな知見を有していることや、スタートアップ経営及び新規事業開発経験に裏打ちされた理念・ノウハウを持ち合わせているなどの要素を考慮したと説明。「革新性と信頼性を高い次元で両立することが理想」とし、あらたな船出を迎えることとなった。
また、コーポレートサイトをリニューアルし、発行総額等の定量情報や個別プロジェクトの公開情報等をオープンにすると発表。これらの情報はリアルタイムで更新されるという。
プログマはこれまで三菱UFJ信託銀行が管理・運営を行なってきたプラットフォームだ。発表によれば、新会社として立ち上げられたProgmatの設立時点で818 億円を超える運用規模のファンドが同プラットフォーム活用してトークンの発行・流通を行なっている。
今年6月に施行された改正資金決済法を受け、プログマコインを巡る動きは日を追うごとに加速している。
先月には三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほファイナンシャルグループなどがステーブルコイン領域で連携すると判明。その後、三井住友フィナンシャルグループやNTTデータなど8社間でProgmatの設立に関する株主間契約を締結したことが発表されている。
また同月26日には、国内暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスジャパン(Binance Japan)がプログマコインを活用したステーブルコインの発行を検討すると明かした。
バイナンスジャパンは電子決済手段等取扱業のライセンスを取得した後、来年中にも日本円に価値を裏付けたステーブルコインの発行する予定だ。その後、外貨建てのステーブルコインも発行するものとみられる。
プログマコインを活用することにより、日本の現法律下で最も柔軟なステーブルコインを設計・発行することができるとされている。
こうしたステーブルコインを発行する背景には煩雑化された企業間決済の簡略化があり、手数料を安価に抑え、なおかつ従来よりも早い送金を実現することが可能だ。
2024年にはさまざまな企業がステーブルコインを発行するものとみられ、今後さらに同領域を巡る動きは激化するものと考えられる。
参考:発表
画像:発表より引用
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