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【NEWS】ブラックロック、SECにイーサリアム現物ETFを申請

里見 晃
2023/11/19

イーサリアム現物ETFにも着手

世界最大の資産運用企業ブラックロック(BlackRock)が、SEC(米証券取引委員会)にイーサリアム現物ETFを正式に申請したことがわかった。15日、SECが申請書である「Form S-1(フォームS-1)」を公開した。

フォームS-1とは、SECに許可を求める企業が証券登録をするために使用する登録証明書。企業が公開販売を行う前にSECが必要とする情報を提供するものだ。

「アイ・シェアーズ・イーサリアム・トラスト(iShares ETHEREUM TRUST)」と呼ばれるETFは15日にSECに申請された。フォームS-1によると、「イーサリアムの一般的な価格のパフォーマンスを反映する」ことを目指しているという。iSharesという名前のブランドは、ブラックロックのETF製品を示している。

フォームS-1はブラックロックがiSharesイーサリアムトラストをデラウェア州国務省企業局に登録してから1週間後に発行されるという。

ブラックロックは、イーサリアム現物ETFのカストディアンとして、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)傘下の、コインベース・カストディ・トラスト・カンパニー(Coinbase Custody Trust Company)を指定している。あわせて、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)傘下のCF Benchmarksの「CME CF Ether-Dollar Reference Rate」を指数として利用するという。これらはすでに申請されているビットコイン現物ETFと同じだ。

ブラックロックは今年6月、iShares Bitcoin Trustを申請。ビットコイン現物ETF承認の大本命として注目を集めてきた。先月には、承認に向けた期待感でビットコイン(BTC)を始め、暗号資産相場は上昇するなど、まさにブラックロックがいわゆる暗号資産の「冬の時代」から抜け出すきっかけになっているといえる。


暗号資産ETFを巡り相次ぐ誤報


一方、ビットコイン現物ETFやそのほかの暗号資産ETFを巡ってはこれまでに誤報も相次いでいる。

先月、米暗号資産メディア・コインテレグラフ(Cointelegraph)がブラックロックのビットコイン現物ETFについて承認されたと報道した。この一報を受け、ビットコイン価格は急騰したものの、誤報とわかると乱高下した。

ブラックロックのCEOであるラリー・フィンク(Larry Fink)氏は先月、ビットコイン現物ETFが承認されたという誤報によって起きた急騰は「暗号資産への鬱積した関心を示したもの」との見解を示している。

また、14日には何者かが暗号資産XRPの現物ETFとして「iShares XRP Trust」を登録し、ブラックロックが申請したものだと主張した。これについても誤報であり、ブラックロックは完全否定している。この件でXRPは高値を付けた。


ブラックロックは準備を着実に進める


SECは現在、ブラックロックを含め、複数のビットコイン現物ETFの申請について精査していることを明らかにしている。ブラックロックのビットコイン現物ETFのティッカー「IBTC」もDepository Trust & Clearing CorpのWebサイトに掲載されている。

また、ブラックロックはビットコイン現物ETFに流動性を提供するマーケットメイカーとして、トレーディング大手のジェーン・ストリート(Jane Street)やバーチュ・ファイナンシャル(Virtu Financial)などと協議を行なっている状況だ。

今後もブラックロックは承認可否判断を待ちつつ、速やかにローンチできるよう着実に準備を進めていくものとみられる。

参考:発表
画像:Shutterstock


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