1.「投資対象」から「金融インフラ」への本格的なシフト
カンファレンスでは、XRPLがRWA(現実資産)トークン化市場で世界トップ10入りするなど、機関投資家の参入が加速している現状が報告された。決済や流動性管理を支える「次世代の金融インフラ」としての実用性が強調されている。
2.「AI×金融」がもたらすあらたな経済圏の基盤へ
AIエージェント同士が自律的に取引を行う未来の経済圏の到来を見据え、XRPLや各種ステーブルコインが、その自動化された取引を裏から支える「金融レイヤー(決済基盤)」として重要な役割を担う可能性が語られた。
3.本番実装を阻む壁と、それを打破する「2つの突破口」
既存金融での導入がPoC(実証実験)で止まる原因として、規制やセキュリティ、既存システムとの競合が指摘された。本番実装を進めるには「実用的なユースケースの蓄積」と「適切なパートナー連携」が不可欠であると結論づけた。
2026年4月、東京・八芳園にて、暗号資産XRPの特化型カンファレンス「XRP Tokyo 2026」が開催された。本イベントは、パブリックブロックチェーン・XRP Ledger(以下、XRPL)の日本国内における普及と活用を推進するコミュニティ「XRPL Japan」が主催し、マネージングパートナーとして、Asia Web3 Alliance Japanが参画。
日本最大級のXRPカンファレンスとして位置づけられ、XRPLを軸とした金融インフラの進化や実社会での活用をテーマに、国内外の企業、開発者、投資家らが一堂に会した。
イベントはXRPL Japanの古川舞氏の挨拶からスタート。「このようなイベントは多数あるが、その1つで終わらせたくないと思い、小さなチームではあるがエネルギーを込めて準備を進めてきた」と語り、温かな拍手に包まれた。
注目セッションでは、XRPLの現状と今後の展望、そして金融機関におけるユースケースについて、RippleX のシニア・バイス・プレジデントを務めるマーカス・インファンガー氏が語った。インファンガー氏はまず、規制整備と早期採用によりXRP普及の中心的役割を担ってきたと評価。続いて、XRPLの金融機関におけるユースケースとして、決済や流動性管理、特にレポ市場での活用が進んでいる点を強調した。
また、リップル社が手がけるRLUSDを始めとするステーブルコインやトークン化の取り組みによって、金融インフラとしての実用化が加速していると指摘。さらに、今後AIとの融合によるあらたな経済圏の構築が進む可能性を示し、ブロックチェーンの役割が一層拡大していくとの見方を示した。
このセッションでは、「暗号資産は投資対象から、金融インフラとして認識され始めている。規制整備が進むなかで、実用性へのシフトが進んでいる」と語られたことも印象的であった。

別のセッションでは、XRPLを中心としたエコシステムの成長戦略も語られた。このセッションではリップル社のシニアディレクターであるクリスティーナ・チャン氏が登壇。
現在、DeFi領域においてXRPLの活用が拡大しているほか、RWA領域においてはトークン化に活用されているブロックチェーン上で発行されたトークンの市場規模において、トップ10に到達するなど、機関投資家の参入が加速していることが強調された。
加えて、AIエージェント同士が取引を行うあらたな経済圏の到来を見据え、XRPLがその金融基盤となる可能性について言及し、「XRPLはAIエージェント経済の金融レイヤーになると考えている」と語った。

今後の展開として、日本を含むAPAC地域におけるXRPLのさらなる利活用を推進していくことを示したほか、エコシステムの拡大がXRPの本質的な価値向上につながる点が強調された。
こうした金融インフラとしての進化を象徴するのが、ステーブルコインを巡る議論である。本イベントではステーブルコインの普及に関するセッションも行われた。
日本円ステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYCの岡部典孝氏を始め、RLUSDの取り扱いを目指すSBI VCトレードの近藤智彦氏らが登壇したセッションでは、普及のカギとして、ウォレット設計やユーザー・店舗双方のメリット、そして認知の向上が重要であると指摘された。
また、AIエージェント経済圏の拡大がステーブルコイン需要を押し上げる可能性が示され、決済インフラの整備が急速に進んでいる現状が語られた。
加えて、日本市場では規制や通貨主権の観点から円建てステーブルコインの重要性が強調され、XRP及びRLUSDを含むエコシステムの今後の展開に注目が集まる内容となった。
一方、ブロックチェーンなど新興技術の活用に関しては、PoC自体は増えつつあるが、本番実装にまで至らないケースも見受けられる。なぜ実装が進まないのか、また今後実装を加速させる上で考えられる“突破口”について、GMOあおぞら銀行の小野沢宏晋氏やセキュリティプラットフォームを提供するFireblocksの牧野剛氏らが持論を語った。
まず既存金融などにおいて本番実装に至らない理由について、「必要性の不明確さ」「既存システムとの競合」「責任主体の曖昧さ」が指摘された。また、複数の登壇者からセキュリティリスクや規制、経験値不足といった要因も大きな障壁になっていると声があがった。
こうした状況から、突破口を開くために必要なこととして「実用的なユースケースを積み上げていくこと」、そして「適切なパートナーと連携すること」が強調された点は特に印象的であった。さらに、AIの進展が金融インフラの変革を加速させる可能性についても言及され、ブロックチェーンの実用化に向けた転換点が訪れていることが改めて示された格好だ。

このほかにも、国内外におけるWeb3.0の利活用や課題が示され、有意義なセッションが展開された。また、XRPLがRWAのトークン化やDeFiなどあらたな金融領域へとその存在感を拡大していることが鮮明になった。
そうした背景も踏まえ、本イベントは“次世代の金融インフラ”の現在地を示す場として、日本発のユースケースがグローバル標準へと昇華する可能性を強く感じさせる場となった。

XRP TOKYOは、日本と世界のXRPLコミュニティがつながり、技術・ビジネス・人の交流が交差する場として誕生しました。情報だけでは生まれない価値は、人と人との対話から生まれると信じています。本イベントを通じて、あらたな出会いや発見が次のイノベーションにつながることを願っています。

AWAJはマネージングパートナーとして「XRP Tokyo」の運営に携わり、銀行・証券・決済事業者・規制当局のキーマンを結集させました。ブロックチェーンにかかわる制度設計、コンプライアンス、実装ユースケースを通じて、大企業によるXRPの本格採用へ導き、日本の金融インフラとしての実装を加速させます。
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