パレットチェーンを開発するハッシュパレット(HashPalette)は3日、アプトスネットワークを開発するアプトスラボ(Aptos Labs)ことMatonee Inc.との買収に合意したことを発表した。
今後、パレットチェーンはアプトスネットワークに統合される。アプトスネットワークの日本市場への拡大を目指すことが目的だ。
ハッシュパレットはハッシュポート(HashPort)の子会社だったであった。今回、アプトスがハッシュパレットの全株式を取得したことで、同社の完全子会社となる。
パレットチェーンは日本を代表するエンターテイメント特化型チェーンとして、これまでゲームやアニメ、スポーツなどのジャンルのNFT基盤として利用されてきた。
さまざまなパートナーに支えられ、2024年8月23日には半減期を迎え、ローンチ4年目を迎えたばかりだ。
これまでの3年間において、パレットチェーン上では398万個のNFTが発行されており、2,582万件のトランザクションが行われ、トランザクションを送信、受信したことのあるウォレットアドレスは34万以上にのぼるという。
また、2025年4月から始まる「2025日本国際博覧会(大阪・関西万博)」におけるEXPO2025デジタルウォレットにもパレットチェーンが利用されている。すでにJR西日本がNFTを使った大阪環状線でのスタンプラリーを実施している。
こうした実績のある一方で、多くの課題が残っていることを開発チームは認識しており、その抜本的解決について議論を重ねてきたという。
Web3.0の社会実装をさらに加速させるため、パレットチェーンで構築されるサービスがより高いスケーラビリティとユーザビリティを実現し、グローバルのWeb3.0市場にスムーズにアクセスできるようにするための検討を重ねた結果、今回のアプトスネットワークへの移行が最適な解決策であるという結論に至った。
アプトスネットワークは、Meta(旧Facebook)が手がけていたものの、頓挫したステーブルコインプロジェクト「ディエム(Diem)」に源流を持つレイヤー1ブロックチェーンであり、ディエム開発者らが開発している。
チェーンの経済圏規模の指標の1つであるTVL(Total Value Locked)の面において、アプトスネットワークは5,500億ドル(約800億円)を超えた。
ハッシュパレットは、パレットチェーンのアプトスネットワークへの移行を通じて、日本のWeb3.0市場とグローバルのWeb3.0市場が有機的に連携し、Web3.0の社会実装に向けた取り組みをさらに加速していくと述べている。
パレットチェーンのガバナンストークンであるパレットトークン(PLT)については、11月下旬より、一定の交換期間を設定して、アプトスネットワークのネイティブトークンであるアプトス(APT)への引き換えが行われる。
引き換えのレートは、PLT1個につき、APT0.00339139個になる予定。また引き換えにより取得したAPTは1年間の売却禁止期間が設けられる。
なお、PLTは2021年7月に国内第1号のIEOとして国内暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックに上場し、9.3億円の資金を調達した。
bitFlyerは取り扱いの懸念を表明
今回の買収を受け、bitFlyerはPLT及びエルフトークン(ELF)の取り扱いを継続できなくなるリスクがあることを表明した。
PLT及びELFのリスク評価を行った結果、利用者保護が図れないおそれが認められると判断したためであるという。
参考:ハッシュパレット発表、bitFlyer発表
画像:発表より引用
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