これらの取り組みと並行して、米国では複数の州政府がビットコイン準備金の設立を検討している。現在、具体的に動きをみせている州として、テキサス州、ペンシルベニア州、オハイオ州などがあげられ、関連政策を積極的に推進する州は2月執筆時点で15州にも及ぶ。
テキサス州では、州政府がビットコイン準備金を設立し、少なくとも5年間保有することを求める法案が提出された。この法案では、ビットコインはコールドストレージで厳重に保管され、州外での取引は禁止される内容となっている。州の資産保全戦略の一環として、暗号資産を財務に組み込む試みが進んでいる。
ペンシルベニア州では、州の一般基金や緊急基金の最大10%をビットコイン購入に使用できる法案が提案されている。この法案が成立すれば、州政府は最大で約10億ドル相当のビットコインを購入することが可能となり、財務の安定性を高める施策として注目されている。
オハイオ州では、州財務省にビットコインを購入する権限を与える法案が提出された。この法案の背景には、州の財務安定策として暗号資産の活用を進める狙いがあるとされており、従来の資産運用と併せてデジタル資産を組み入れることで、経済の変動に強い財務基盤を構築しようとしている。
さらに、ニューハンプシャー州、ノースダコタ州、アリゾナ州、ユタ州、フロリダ州、マサチューセッツ州、ケンタッキー州等でも、公共資金の一部をビットコインに投資することを検討する法案が提案されている。こうした動きは、ビットコインがインフレ対策や経済の不安定性に対するヘッジ手段として機能する可能性を示唆しており、今後の展開が注目されている。
オースティン大学のビットコインファンド設立は、大学基金における暗号資産の採用を加速させる重要な一歩となる。この動きは、大学の資産運用にとどまらず、教育機関全体の財務モデルに変革をもたらし、米国の州政府によるビットコイン準備金の導入も進んでいることからも、公的機関による暗号資産の採用が拡大する兆しがみられる。
参考:発表
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