【NEWS】トランプ大統領、暗号資産推進の大統領令へ署名 国家備蓄も検討

2025/01/24 12:59 (2025/01/24 16:08 更新)
Iolite 編集部
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【NEWS】トランプ大統領、暗号資産推進の大統領令へ署名 国家備蓄も検討

デジタル資産市場に関するワーキンググループが設立

23日、トランプ大統領は暗号資産(仮想通貨)規制の見直しと国家デジタル資産備蓄の創設に向けて、暗号資産に関する大統領令に署名した。この大統領令は、米国のデジタル資産市場の発展を促進し、規制枠組みの整備を通じて透明性と信頼性を向上させることを目指すものだ。

大統領令の構成要素は、個人と民間企業の権利保護、米ドル建ステーブルコインの推進、CBDCの禁止、銀行サービスへの公正でオープンなアクセスの保護、テクノロジーニュートラルな規制の提供だ。

これを推進するため、ホワイトハウス内に「デジタル資産市場に関するワーキンググループ」が設立される。この部会は、元ペイパル(PayPal)幹部であるデービッド・サックス(David Sacks)氏を議長とし、財務長官やSEC(米国証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)の委員長を含む政府高官で構成される。

作業部会は、約6ヵ月以内にデジタル資産の規制枠組みを提案する責務を負い、特にステーブルコインや暗号資産ETF(上場投資信託)に関する規制の明確化、暗号資産を準備金として採用するためのルール策定が期待されている。結論としてはビットコインを準備金として採用することが決定するような大統領令ではなかった。

押収された暗号資産をもとにした国家デジタル資産備蓄の創設を検討

この大統領令の注目すべき点としては、合法的に押収された暗号資産をもとにした国家デジタル資産備蓄の創設を検討する方針であり、トランプ大統領が選挙戦で掲げた「ビットコイン国家戦略備蓄」の構想にもとづき、米政府が押収した資産を活用して国家的な備蓄を形成することが想定されていることだ。

国家デジタル資産備蓄の創設、米国の経済的及び技術的リーダーシップを強化する国家戦略の一環と位置付けられており、デジタル金融技術の国際的競争力を高める狙いがある。

さらに、大統領令ではCBDC(中央銀行デジタル通貨)の導入を明確に否定し、米国民を過度な政府管理やプライバシー侵害から保護する意図を示していることも注目すべき点だろう。これにより、民間の暗号資産市場が健全に発展する環境を整えることが目指されている。

一連の報道によりトランプ政権は引き続き、暗号資産業界に友好的な政策を掲げていることが明確に示された。特に前政権下で進んだ厳格な規制からの脱却を目指し、業界の成長を後押しする意図は一定の支持を集めている。

今後、作業部会の提案内容や政策の実行状況に注目が集まり、米国の暗号資産市場における競争力がどのように変化していくかが問われる。

参考:THE WHITE HOUSE
画像:Shutterstock

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