ビットコイン(BTC)は2日、週末の大幅下落の影響を受け、軟調に推移している。記事執筆時点では80,000ドル(約1,240万円)の節目を割り、77,000ドル(約1,195万円)ほどで推移。この価格帯は「トランプ関税」を巡りリスクオフの流れが強まった昨年4月頃の水準となる。
アルトコインも主要銘柄を中心に大幅な下落を記録しており、特にイーサリアム(ETH)の下落率は前週比20%を超えた。
背景にあるのは、トランプ大統領が指名したFRB(米連邦準備制度)次期委員長の存在がある。トランプ大統領はFRB元理事のケビン・ウォーシュ氏を次期委員長として指名し、加速度的な利下げの実現に向けてその手腕に期待を寄せている。
しかし、ウォーシュ氏は金融緩和に否定的な人物とされ、これまでのFRBによる利下げ政策を批判してきた代表的な「タカ派」だ。トランプ大統領は、ウォーシュ氏が利下げに前向きであることを強調したものの、市場は予想外の人物の指名を受け一時慌ただしい動きとなった。
特に貴金属市場は、金融緩和に積極的な人物の指名を見込んでいたことから影響が大きく、高騰していた金は割高感も相まって10%を超える下落となった。この下落率は46年ぶりの水準となる。
また、金と同様に高騰していた銀は一時35%もの下落に見舞われた。いずれもウォーシュ氏の従来のスタンスを考慮したドル高を警戒したものと考えられる。
貴金属から流出した資金は一時的にビットコインなどにも流れたが、その後はウォーシュ氏の政策スタンスを警戒した取引が続き下落。流動性が低下する週末にはリスクオフの流れがさらに強まり続落した。
一連の価格変動により、ビットコイン価格は代表的なDAT(デジタル資産トレジャリー)企業であるStrategy(ストラテジー)社が保有する平均取得単価を一時割り込んだ。同社の平均取得単価は76,037ドルで、ビットコインは一時75,800ドル程度まで下落している。
Strategyの平均取得単価は、DAT戦略モデルの正当性を測る上で1つの目安とされている。特に後発企業の平均取得単価は同社よりも大幅に高く、価格が落ち込むことで、上場維持などの施策のためにビットコインを売却する動きが加速するおそれがある。
Strategyはビットコインの売却を「最後の手段」としているが、大幅な下落が続けば同社においてもビットコイン売却リスクが高まる。
なお、地政学リスクや米トランプ政権の先行き不透明感などが高まっていることから、今後もビットコインは不安定な推移となる可能性がある。
さらに、現在米国で議論が停滞している暗号資産市場に関する規制法案・クラリティ法案についても採決に向けた見通しが立っておらず、今後の動向次第では市場にネガティブな影響を与える可能性が考えられるため、注視する必要がある。
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