21日、ビットコイン(BTC)のハッシュレートが過去最高となる700EH/sを突破した。4月の半減期以降、ビットコインのハッシュレートは13%増加し、供給が逼迫している。
ハッシュレートとは、プルーフオブワーク(PoW)をコンセンサスアルゴリズムとして採用している暗号資産において、マイニングを行う際の計算能力を指す。
Blockchain.comのデータによると、ビットコインのハッシュレートは、前例のないピークに達している。ネットワークのハッシュレートは21日時点で702EH/sとなり、700EH/sの大台を超えた。
過去最高を記録した要因は、米上場マイニング企業にある。マイニングアナリストのセバスチャン・スキー(Sebastian Ski)氏によると、これらのマイニング企業は、9月時点のネットワーク全体のハッシュレートの28.9%を占め、200EH/s以上を占めているという。スキー氏は、これらの企業がほかのグローバルマイニング企業から徐々に市場シェアを奪っていることを指摘した。
その中でも、クリーンスパーク(CleanSpark)、マラソン・デジタル(Marathon Digital )、ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)などは過去1年間で最も大幅なハッシュレートの増加を記録した。これは、9月時点でこれらのマイニング企業の月間生産量が一貫して増加し続けていることを示すデータと一致している。
ビットコインのマイニングは、依然として競争が激しい状態にあり、資本集約的な産業となっている。また、ブロック報酬が約4年ごとに半減するため、運用上のリスクは増大する。経済効率やエネルギー効率の低いマイニング企業は、運用を停止せざるを得ない状況にある。これに伴い、エネルギーコストが低い、あるいは強力な財務的支援を受けるマイニング企業に利益をもたらすことになる。
上場マイニング企業の技術力進歩
ビットコインのハッシュレートが史上最高値に達したことで、次回の難易度調整が行われる今月23日には、難易度が4%以上増加すると予想されている。難易度調整は2,016ブロックごとに行われ、ビットコインの1つあたりのブロック生成が10分ごとに行われるようマイニングの難易度を調整するものだ。
ハッシュレートの上昇は、ビットコイン取引のセキュリティと効率の両方を強化することになる。また、ブロックチェーン分野で上場マイニング企業の役割が拡大していることも浮き彫りにしている。
これらのマイニング企業が技術と運用を改善するにつれて、ビットコインのマイニングの未来が形成され、市場のトレンドと運用方法に影響を与える可能性がある。
参考:Blockchain.com
画像:Shutterstock
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