暗号資産

【NEWS】ブテリン氏、イーサリアムのトランザクション「毎秒10万件」目指す

2024/10/21 18:37 (2025/02/07 17:38 更新)
Iolite 編集部
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【NEWS】ブテリン氏、イーサリアムのトランザクション「毎秒10万件」目指す

プラズマの実装にも言及

イーサリアム(ETH)の共同設立者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は17日、あたらしいブログ投稿「イーサリアムプロトコルの将来の可能性」において、ネットワーク拡張の次の段階目標として、イーサリアムのレイヤー1とレイヤー2ネットワーク全体で1秒あたり100,000件以上のトランザクション(TPS)を目指すと発表した。

ブテリン氏はブログの投稿で、シャーディングとレイヤー2プロトコルの融合として生まれたロールアップ中心のロードマップは、今後もイーサリアムネットワークの主要なスケーリング戦略であり続けるが、依然として特定の課題に直面するであろうと述べた。

「私たちの仕事は、ロールアップ中心のロードマップを完成させ、これらの課題を解決しながら、イーサリアムレイヤー1を特別なものにしている堅牢性と分散性を維持し続けることです」とブテリン氏は述べ、ロードマップの次段階である「サージ(The Surge)」について説明した。

100,000TPSの目標とは別に、ブテリン氏のイーサリアムのスケーラビリティに関するその他の目標の中には、レイヤー1メインネットの分散化と、セキュリティの維持、レイヤー2間の相互運用性を最大化することがある。

アップグレード「デンクン(Dencun)」と「ブロブ(Blob)」の導入は成功したが、イーサリアムはまだ速度が足りていないとブテリン氏は述べる。

トランザクションの速度をスケーリングするために、ブテリン氏はデータ可用性サンプリングの改善を検討した。この方法により、各々のノードすべてのデータをダウンロードして保存しなくても、ネットワークはデータの可用性を検証できる。

ブテリン氏はデータ可用性帯域幅のスロットあたり16MBという中期目標を設定。これはイーサリアムのロールアップのネットワークの現在の最大値であるスロットあたり375kbに対して、最大58,000TPSとなる。

しかし、ブテリン氏はこの中期目標でさえ、消費者決済やdApps(分散型アプリケーション)などの高帯域幅の分野を満たせない可能性が高いと指摘した。

このような「高ボリューム、低価値」のアプリに対して、ブテリン氏はプラズマ(Plasma)の実装を提案した。

プラズマは、オペレーターがブロックチェーンをオフチェーンで公開し、マークルルートをオンチェーンに投稿するスケーリングソリューション。これにより、イーサリアムのスケーラビリティ向上が期待される。

 

ガス代制限増加戦略 

ブテリン氏が検討したもう1つの解決策は、より効果的なガス制限増加戦略を適用してベースレイヤーをさらに拡張することだ。

レイヤー1とレイヤー2のスケーラビリティに大きな差があると、資産としてのイーサリアムの経済的健全性が脅かされ、エコシステム全体が不安定に陥る可能性があると指摘。効果的なレイヤー1ガス制限の増加戦略はまだ明確に定義されていないが、ブテリン氏は分散化に対するリスクを増やすことなく、イーサリアムの特定部分を安くすることを提案した形だ。

これには、計算の種類ごとに異なる料金を請求したり、EOF(Ethereum Object Format)と呼ばれる効率的なバイトコード形式を使用することなどがふくまれる可能性がある。 

参考:Vitalik Buterin
画像:Iolite

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