米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は23日、2025年の暗号資産市場に関するレポートを公開した。
このレポートでは、注目すべき5つの事柄について言及している。具体的には、下記についてあげている。
- ステーブルコインは暗号資産のキラーアプリであり使用例が暗号資産取引を超える日が急速に近付いている
- RWA(現実世界資産)のトークン化は課題を抱えるが現在の市場サイクルの礎として浮上する
- 現物ETFとしての銘柄増やステーキングの許可などにより暗号資産ETFの需要が増加する可能性
- DeFi(分散型金融)があたらしいイノベーションの時代を推進する
- 明確で合理的な規制を制定する準備が整いつつあり暗号資産業界とユーザーの双方に利益をもたらす
まずステーブルコインについては「まだ始まったばかりだ」とした上で、今年1年で27兆ドル(約4,223兆円)の取引が処理されたと言及。これは2023年と比較して約3倍に相当するとし、スタートアップや世界的な企業まで、幅広いユーザーを対象に迅速かつ安価な支払いを可能にしたことで「有能性を実証した」と述べた。
また、RWAのトークン化については今年12月1日時点で60%以上成長し、135億ドル(約2兆円)に達したとして「大きな進捗をみせた」と評価。現在、ほかの金融商品の担保資産としてトークン化されたRWAを使用する実験が進んでいることも考慮し、さらにはコモディティ、社債、不動産、保険などといった領域にもトレンドが波及しつつあることを踏まえると、「現実世界の資産のトークン化は大幅な成長が見込まれている」と分析している。
一方、規制や流動性等、越えなければならない課題があるとも言及しており、RWAのトークン化によってポートフォリオ構築と投資プロセス全体をオンチェーン化することで効率化できるのは数年先になるとの見通しも示している。