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【NEWS】CoinBest、「OSL Japan」に社名変更 日本市場「成長すると確信」

2025/02/06Iolite 編集部
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【NEWS】CoinBest、「OSL Japan」に社名変更 日本市場「成長すると確信」

香港上場企業が日本進出

国内暗号資産(仮想通貨)取引所CoinBestは6日、社名を「OSL Japan」に変更することを発表した。CoinBestは昨年11月、香港証券取引所上場のOSL Group Limitedの子会社を通じて買収されていた。

代表は創業者の雒東生氏が務める。雒氏は会見で、「OSLグループの一員として、サービスの拡充に取り組んでいく」と語った。

また、OSL GroupのCEOであるケビン・クイ(Kevin Cui)氏は日本市場への進出について「日本は今後大きく成長する市場であると確信している」と言及。これまで香港で規制に準拠しサービスを展開してきた知見を活かせると強調した。

クイ氏は香港市場の現状についても言及し、ステーブルコインについて「今年中には成果がみられるのではないか」との見通しを述べている。

OSL Japanは顧客層に沿ったサービス展開を図る。富裕層を対象としたOTC取引の提供のほか、機関投資家に対して暗号資産のカストディサービス及びRWA(現実世界資産)のトークン化商品の開発とサービス展開、そして個人投資家向けのサービスも提供していく。

雒氏はサービス展開に伴い、顧客ニーズを捉えて強力なチーム作りに取り組むと述べた。また、顧客層に沿ったサービスの拡充や暗号資産コミュニティへの貢献にも取り組むとしている。特に現時点ではOTC取引に一定のニーズを感じていると述べ、注力する姿勢をみせた。

なお、CoinBestは昨年、IEO業務において関東財務局より業務改善命令を受けている。雒氏は現在も改善に向けて取り組んでいると述べ、取引所サービスの再開についても「体制が整ったタイミングで行えればと考えている」と語った。具体的なサービス再開時期については明らかにしていない。

OSL Groupは2020年に香港証券取引所委員会より暗号資産ライセンスを取得。同社によれば、香港の暗号資産現物ETFのカストディ業務における預かり資産のシェア76%を誇るという。

「まずは社内体制の整備に注力。その次に富裕層向けのサービス展開」

雒氏はIoliteの単独取材にも応じた。

──いくつかの国内取引所があるなかで、OSLグループはCoinBest社の買収を決めた。いつ頃から買収の話はあったのか?

雒氏:昨年1月頃から話はありました。もちろん我々以外にも声をかけた交換業者はあったかもしれませんが、もともと私たちが富裕層を対象としたOTCサービスに注力していきたいと考えていたタイミングと重なったことも大きいかと思います。

香港ではリテール取引が昨年までできなかったこともあり、OSLグループは機関投資家向けサービスに強みを持っています。そうしたところでノウハウを共有し合い、シナジーが生まれることに期待したいです。

──買収の話が進む過程では業務改善命令も発出された。こうした影響はどこかにあらわれたのか?

雒氏:特に大きな影響はなかったです。むしろそこから関係がより強固になり、より良い体制構築や社内整備に向けて動いています。

──やはりユーザーとしては業務改善命令が出された取引所ということで心象が良くない部分もあるかと思う。社名も変わり心機一転となるなか、挽回に向けたビジョンや施策はあるのか?

雒氏:まずは、私たちが業務改善をやり遂げることだと思います。ご指導いただいた内容は真摯に受け止めており、大変ありがたいご指摘だったと感じています。その上で、優秀な人材を集め強力なチーム作りに取り組んでいます。繰り返しになりますが、まずは社内体制を整えることに注力します。

──業務改善命令とあわせて、IEO業務の業務停止命令が発出されたが、社内体制や当局との調整が落ち着いたタイミングで再びIEO事業に取り組む可能性はあるのか?

雒氏:現時点ではまず体制を整え、業務改善に取り組むことに注力していますが、その時の経営判断次第だと思います。ご指摘を受けたことで慎重に判断していくべき部分について理解を深めていますし、その上でまずは当局とコミュニケーションをしっかりととっていきます。

──会見では現在のサービスを土台として事業展開をしていくことが示されたが、抜本的な見直しを図るものなどはあるのか?

雒氏:抜本的な見直しまではいきませんが、あらたな暗号資産の取り扱いは行なっていきたいと考えています。それが注力していくOTC取引にもつながると思います。基本的には現在のサービスを土台にしつつ、それぞれを強化してニーズに応えていきたいと考えています。

──顧客層にあわせたサービス展開を強調していたことが印象的だが、各種サービスの提供見込み時期はいつ頃か?

雒氏:都度、経営判断をしていくことになるため、現時点ではお答えが難しいです。まずは社内体制をしっかりと整えることが先決となります。

また、業務改善命令を受けている立場からすると、当局とのやり取りもありますしスケジュールを明確にすることは厳しい部分があります。現在はディフェンスを固めている段階ではありますが、いち早くオフェンスに回れるように取り組んでいきます。

──心機一転を迎えるなかで、今後目指していく目標などはあるか?

雒氏:繰り返しになりますが、まずは社内体制を整えていきます。それを大前提として、迅速かつ安全なOTC業務をしっかり拡充していくことが目標となります。個人向けサービスをどれくらい拡充させていくかというのは現在検討段階ですので、まずはいわゆる富裕層向けサービスの展開に注力していく予定です。

画像:Iolite

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