ブロックチェーンゲーミングプロトコルのエリンピックス(Elympics)が、ブロックチェーンゲーム・アライアンス(BGA)とブロックチェーン・データトラッカーのプレイトゥアーン(Play to Earn)と共同で、「Web3.0ゲーミングの未来は競争的:グローバルゲーミングレポート2024」というレポートを発表した。
レポートのなかでは、世界のゲーマーがWeb3.0ゲームに参加する大きな障壁となっていることとして、ウォレットの複雑さを強調している。
主な調査結果のなかで、回答者の10%以上が、Web3.0ゲームをプレイしない主な理由として、ウォレットの複雑さをあげている。また、回答者の7.3%はブロックチェーンゲームの価値を理解していないと答えている。
さらに、9.1%がブロックチェーンベースのゲームに興味がないと回答しており、2.4%が従来のWeb2.0ゲームで満足していると答えた。
さまざまな課題があるが、多くの参加者は、Web3.0ゲームの可能性、特にエアドロップや暗号資産獲得の機会には興味を示している。つまりゲームをプレイすることで稼ぐことには関心を示している形だ。
ゲームをプレイする動機についての質問には、多くの回答者が「エアドロップとお金を稼ぐ可能性」を主な理由としてあげている。これらのゲームにおいてほかのプレーヤーと競争することも大きな魅力の1つと回答した。
エリンピックスのCEOであるミハル・ドンブロウスキー(Michal Dabrowski)氏は、Web3.0ゲームが主流のゲーマーを引き付けることに苦戦していることについてコメントした。
同氏は、The Open Network(TON)などのインフラがこの分野に参入することで、状況が変化する可能性があると指摘している。
ドンブロウスキー氏は、Web3.0内で高品質のゲームを開発する開発者が増えるにつれて、この分野が勢いを増す可能性があると強調した。
TON財団のあたらしい取り組み
現在、複雑な暗号資産ウォレットがもたらす課題解決のための対処、つまりユーザーエクスペリエンスを簡素化する取り組みが各所で行われている。
たとえば、TON財団(TON Foundation)の投資担当ディレクターであるジャスティン・ヒョン(Justin Hyun)氏は、「テレグラムのミニアプリは、暗号資産機能をシームレスに統合し、プロセスを複雑化することなく、ユーザーエンゲージメントを強化することを目指している」と述べている。
こうした展開を受け、ハムスター・コンバット(Hamster Kombat)などのゲームはユーザーに大きく受け入れられ、テレグラムのプラットフォームを通じて3億人を超えるユーザーが参加するなど、課題解決への道は開いてきている。
しかし、ゲーマーの本質はあくまで面白いゲームをプレイすることにある。Web3.0ゲームでも単に稼ぐことを目的としたゲームだけでなく、既存ゲームのように内容も面白いものでないとユーザーのさらなる参入は厳しいものといえる。
参考:エリンピックスレポート
画像:Shutterstock
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