3日、昨年10月に承認された暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの再編計画を発効した。これによって、60日以内に一部の債権者を対象にした弁済が始まることとなる。
初期分配の事前要件を満たす期限は今月20日までであり、返済はそれ以前には開始されない可能性が高いとされている。そのため、次期米国大統領ドナルド・トランプ氏の就任式以降に返済される可能性が高いというのが大方の見立てだ。
すべてのユーザーが請求を完了した場合、FTXは総額160億ドル(2.5兆円)を支払う見込みとなっている。もともとFTXは巨額の資金調達や企業買収を積極的に進め、暗号資産市場で急速に影響力を拡大していた。
しかし内部統制の問題や関連企業との資金のやり取りが不透明だったことが指摘され、最終的には顧客資金の欠損や流動性不足が表面化して破綻に至った。現在の破産手続きでは、FTX及びその関連会社が保有する資産を売却し、可能な限り債権者への返済を進める方針である。
FTXの再建計画によれば、50,000ドル(約790万円)以下を請求する債権者に現金で最初に返済を受けることとなっており、段階的にすべてのユーザーに返済される予定だ。
最初に50,000ドル以下の弁済を受ける債権者は、本人確認、納税申告書の提出、弁済をサポートするクラーケン(Kraken)とBitGoの利用手続きなどを行う必要があるものの、計画によれば合計で約12億ドル(約1,900億円)が分配される見込みだ。
加えて、同計画では全ユーザーの98%以上が認められた申請資産価値の119%の返済を受けられる見込みである。