リップル社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏は24日、SEC(米証券取引委員会)との訴訟が続いている理由で、シティバンク(Citibank)など大手銀行から取引を拒否されたが、「XRP現物ETFの誕生は必然である」とブルームバーグ・ビデオで語った。
ワシントンDCフィンテックウィークでの講演で、ガーリングハウス氏は「暗号資産(仮想通貨)業界の人々は銀行業務の停止問題に直面している」とも述べていた。講演では、「私自身、銀行業務の停止を経験した」と語っている。
周知の通り、SECがリップルに起こした訴訟は4年続いている。いくつかの暗号資産取引所にもその影響は及び、XRPの取り扱いを廃止・停止する措置がとられた時期もあった。
ガーリングハウス氏はシティバンクの名前をあげ、同行が最近、取引を打ち切ることを決めたと述べた。
「彼らは『5日以内に資金を移動してください』と私にいった。彼らは非常に正直だった。『いいですか、あなたは暗号資産業界では著名な人物です。暗号資産業界で著名な人物を抱え、暗号資産業界に銀行業務を行うということは、連邦規制当局による監視が強化されることを意味します』といっていた」とし、シティバンクの担当者とのやりとりを語った。
その後、同氏はジョー・バイデン(Joe Biden)政権を激しく非難し、SECのゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が「恐怖政治」を主導していると付け加えた。
その一方で、カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領が暗号資産に対して前向きな姿勢をみせたことにより、ガーリングハウス氏は「業界が良い方向へ向かう」とし、楽観視していることを強調した。
リップルがSECと法廷闘争する最中、ガーリングハウス氏は「XRP現物ETFの実現は絶対に避けられないことであると確信している」と述べた。
機関投資家と個人投資家からの需要増大
ガーリングハウス氏は、すでに取引が行われているビットコイン現物ETFは多額の資金が流入していることを引用し、「これは、機関投資家や個人投資家からこの資産クラスへのアクセス需要があることを明確に示している」と述べた。
10月初め、ビットワイズ・アセット・マネジメント社(Bitwise Asset Management Inc.)はXRPを追跡するETFの申請をSECに提出した。
その後すぐに、9月に設立されたばかりのデジタル資産投資会社カナリー・キャピタル・グループ(Canary Capital Group)も独自の「Canary XRP ETF」の立ち上げを申請している。
ガーリングハウス氏は、暗号資産現物ETFの需要が明らかに機関投資家の市場参加の増加を示していると付け加えた。「それはXRPをふくむ多くの異なる暗号資産の価格に上昇圧力を生み出すことだろう」と付け加えている。
参考:Bloomberg
画像:Shutterstock
関連記事
リップル共同創業者ラーセン氏、ハリス陣営に1,000万ドル相当のXRP寄付
XRPで国際送金を劇的に効率化。普及のためのインフラ革新に挑む/吉川絵美インタビュー