2024年米大統領選挙に向け、リップルの共同創業者クリス・ラーセン(Chris Larsen)氏は22日、カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領の選挙陣営に1,000万ドル(約15億円)相当のXRPを寄付したと述べた。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏との選挙戦が激化するなか、この多額の寄付はハリス氏の選挙運動の支援につながる。
ラーセン氏は暗号資産(仮想通貨)の分野における技術革新について、民主党があらたな視点を取り入れる必要があると強調した。その上で、「民主党は、暗号資産をふくむ技術革新に対してあらたなアプローチを取るべき時がきている。私は米国の技術がカマラ・ハリス氏によって世界を支配することを確実にすると信じている。だからこそ、私は彼女を支援するため、XRPで1,000万ドルを寄付する」と述べた。
リップル社のCEO、ブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏はラーセン氏による今回の寄付を支持すると表明し、米国が現政権下での「暗号資産に対する誤った戦争」から脱却する必要性を強調した。こうした発言からも、リップル幹部によるハリス氏支持が鮮明になった格好だ。
2024年の選挙戦では、暗号資産がかつてないほど政治討論の中心になっている。今年に入り、ビットコイン現物ETF、イーサリアム現物ETFが上場し、成功を収めるなど、暗号資産業界は著しく成長を遂げている。
そのため、より広範な市場拡大のために明確な規制を求める声が高まっている。候補者たちは暗号資産が極めて重要な課題であることをますます認識している。
トランプ氏は暗号資産に対して力強い支持を表明している。トランプ氏と息子であるララ・トランプ(Lara Trump)氏らは暗号資産DeFiプロジェクト「WLF(ワールド・リバティ・ファイナンシャル)」を開始した。同プロジェクトでは3億ドル(約450億円)の資金調達を目指し、完全希薄後の評価額は15億ドル(約2,250億円)になると予想されている。
ワールド・リバティ・ファイナンシャルではガバナンストークン・WLFIを発行する。このトークンはプラットフォームの将来の開発に関する意思決定に使用される。最初の12ヵ月間は譲渡不可能だ。初期段階ではトークン総供給量の20%が販売される予定となっており、15日よりトークンセールは開始している。
累計寄付額は1,180万ドルに
トランプ氏が暗号資産に寄り添う姿勢を打ち出しているにも関わらず、ラーセン氏のような暗号資産業界のリーダーはハリス氏及び同氏のテクノロジーに対するビジョンを支持し続けている。ラーセン氏はこれまで、ハリス氏の立候補を支持する政治活動委員会(PAC)に対し1,180万ドル(約17億7,000万円)以上を寄付してきた。
今回の寄付は、同氏がハリス氏の大統領選勝利に向けた活動を支える重要な支援者としての役割を確固たるものにするものといえる。
トランプ氏が当選すればそのまま暗号資産業界にとって好ましいとされているが、逼迫した今回の米大統領選挙ではどちらが勝利するか依然として見通しが立っていない。そのため、こうした献金は双方どちらが勝利したとしても一定の影響力を保持するための戦略の1つであるとみられている。
参考:クリス・ラーセン氏
画像:Shutterstock
関連記事
リップル、銀行グレードの暗号資産カストディサービスを開始
SEC、リップルの訴訟で1億2,500万ドルの判決を控訴