日本国内のAI・ブロックチェーン有識者らは9日、「アニメチェーン」準備委員会を設立し、コンテンツ・エコシステムの拡大を目指す「アニメチェーン構想」を発表した。
本取り組みでは、基盤モデルを含むすべての学習をブロックチェーンを用いて正当性を担保したオプトイン方式のデータセットのみで行う生成系AIを提供する。コンテンツ・エコシステム拡大のため、欧米・アジアに加えて、中東・アフリカなども含めたグローバル展開を目指すとした。
また、本構想の実現により、クリエイターや企業が著作権や倫理的問題を気にすることなく、安心・安全に生成系AIを活用できる制作環境の整備も目指すという。
アニメチェーン準備委員会の起案メンバー・アドバイザリーボード・支援パートナーは、現在、国内のAI・ブロックチェーン有識者やエンタメ・コンテンツ関連企業などで構成されている。今後、国内外のアニメ業界関係者や関連会社も参加予定だという。
アニメチェーン構想とは
本構想はコンテンツ・エコシステムを拡大し、AI時代においてもクリエイターが継続した制作活動を行うことができ、その収益を最大化していくことを目的としている。その上で、下記3つについて説明している。
- クリエイターのための安心・安全な環境整備
権利者の許諾を受けたオプトイン素材のみを使用して再構築した生成系AIを提供し、生成系AIの透明性と正当性保持のため、開発プロセスをブロックチェーンに記録していく。
- コンテンツ産業が抱える人手不足の解消
限られた人員のもとでも、高品質なコンテンツをより迅速に制作できる環境を構築し、人手不足による産業の停滞を防ぎ、持続可能な成長が見込まれる。
- クリエイター収益の最大化
クリエイターが学習データに使用する原画や画像の制作過程を提供することで、収益を最大化にすることができる。
アニメチェーン構想のビジョン
アニメチェーン構想のビジョンは、日本が誇るアニメ・漫画・ゲーム・VTuberなどエンタメ・コンテンツ業界を健やかに発展させ、持続可能性を高めることにある。
そのため、以下のような段階的なアプローチを経ながら実現を目指すとしている。
- クリエイターコミュニティ&業界関係者との協力体制の構築
- 生成系AIが生み出すコンテンツ利用におけるガイドラインの制定
- 生成系AIツール/マネージドGPUファームの提供開始
- 生成系AIによる作品制作&制作サポートやハッカソン
- オプトイン素材のみを使用した基盤モデルの構築・独自ブロックチェーンの構築
また、コンテンツ・エコシステムをより一層拡大させるため、業界全体として現在カバーしきれていないプロダクトやサービスの提供も予定しているという。独自のエコシステムトークンなどを用いて、支援パートナーや貢献者に対しインセンティブを付与することで仲間を増やし、早期にビジョンを達成することを目指す。
▶︎コンテンツ・エコシステム拡大のためのイメージ
発表より引用
参考:発表
画像:発表より引用
関連記事
AIに美意識はあるのか? 過熱と流行により取り残されつつある疑念
ガウディがサンリオと協業 生成AIを活用したSNSサービス展開へ