リブラの発表直後に市場価値が急上昇したものの、わずか数時間後に95%近くの急落を記録した。この異常な価格変動の要因として、内部関係者による大量売却があげられる。推定では、8,700万ドル相当のトークンが短期間で売却され、価格の急落を招いたともいわれている。
また、リブラのトークノミクスにも大きな問題があった。発表時点で総供給量の82%が市場に流通可能な状態となっており、この設計が内部者による市場操作を容易にした。トークンの流動性が過剰だったため、内部関係者が利益を得るために迅速に売却できる仕組みとなっていたようだ。
さらに、ミレイ大統領はリブラを「スタートアップ支援のためのツール」「アルゼンチン経済の発展に資する」として宣伝した後、その支持を撤回すると、トークンの信頼性が一気に崩れ、投資家の間に不安が広がった。この急激な変動の結果、4万人以上の投資家が損失を被ったともいわれており、規制強化の議論が活発化することとなった。
リブラ崩壊後、ミレイ大統領は詐欺や贈収賄の疑惑に直面し、米国司法省やFBIによる調査対象となっている。この調査結果次第では、彼の政治的キャリアにも大きな影響を及ぼす可能性がある。
リブラのスキャンダルは、暗号資産市場における規制のあり方や透明性の確保について、改めて議論を呼ぶ結果となった。
参考:meow X
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