株式会社クリプトリエは、自社のNFTビジネスプラットフォーム「MintMonster(ミントモンスター)」を、神奈川県の「県庁版社内ベンチャー制度」で採択された「北斎冨嶽令和景プロジェクト」に提供した。
本プロジェクトは、NFTを活用した環境保全団体への寄付制度の実証実験であり、暗号資産やWeb3.0技術を通じた地方創生・地域活性化のあらたな事例として注目を集めている。
背景:環境悪化と支援不足の課題
地球温暖化に起因する自然環境の悪化が国内外で深刻化している。沿岸部での磯焼けや生態系の崩壊、森林減少など各地の環境は危機的状況に直面しており、これら環境を守る環境保全団体は、人手や資金の不足という課題を抱えている。
こうした課題に対するあらたな支援策として注目されるのが、NFTを活用した寄付の仕組みである。「北斎冨嶽令和景プロジェクト」は、デジタル資産であるNFTを通じて環境保全活動への寄付を募るもので、神奈川県の県庁版社内ベンチャー制度に採択された先進的な試みだ。
同プロジェクトには神奈川県や北海道ニセコ町に加え、「Samurai Architects(サムライアーキテクツ)」、博報堂、浦上蒼穹堂、「Little Blue(リトルブルー)」、クリプトリエの7団体が協定を結び、産官連携でプロジェクトを推進している。
AI北斎が描く令和の風景NFT
本プロジェクトでは、葛飾北斎の『富嶽三十六景』を想起させる令和時代の風景を描いたNFTアート「北斎冨嶽令和景」を制作・販売する。美術商である浦上蒼穹堂の浦上満氏の監修のもと、Samurai Architectsが開発したAI「北斎」が各地の令和の風景を北斎風に生成したデジタルアート作品であり、購入者はこのNFTの取得を通じて環境保全団体への寄付ができる仕組みだ。
NFT購入者には寄付の返礼として特別な体験(体験型リワード)が提供されるという。寄付の申し込みは専用のQRコードから行い、プロジェクト公式サイトでも受け付けている。実証の実施期間は2025年11月13日から12月25日までが予定されている。