【NEWS】北朝鮮ハッカー、2024年に2,000億円相当の暗号資産を盗む DMM Bitcoinの不正流出にも関与か

2024/12/20 16:27 (2025/02/12 15:39 更新)
Iolite 編集部
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【NEWS】北朝鮮ハッカー、2024年に2,000億円相当の暗号資産を盗む DMM Bitcoinの不正流出にも関与か

北朝鮮ハッカーの脅威強まる

米ブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)は19日、暗号資産(仮想通貨)の不正流出に関する調査結果を公表した。

この調査によると、2024年に暗号資産取引所などのプラットフォームから不正流出した暗号資産は前年比で21%増となる22億ドル(約3,455億円)であった。ハッキング事件の数も2023年の282件から、2024年の303件に増加している。

調査によれば、今年1月から7月までですでに半数以上を占める15 億 8,000 万ドル(約2,480億円)に達していたという。これは北朝鮮のハッカーによる影響が大きいとチェイナリシスは分析しており、「その洗練された執拗な手口で悪名高い」と称している。

2024年に北朝鮮のハッカーたちが盗み出した暗号資産は13億4,000万ドル(約2,100億円)に及ぶとされ、昨年の約6億6,050万ドル(約1,037億円)と比べて約102%増加したこととなる。

一方、チェイナリシスは今年7月以降、北朝鮮のハッカーによる動きが鈍くなり、不正流出の頻度も大幅に減速したと指摘している。その要因として、6月下旬にロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記による会談をあげており、同盟関係を強化する過程で何らかの理由からサイバー攻撃に関する方針変更があった可能性があると説明している。

DMM Bitcoinの不正流出にも関与した可能性

チェイナリシスは今年5月に発生した国内暗号資産取引所DMM Bitcoinにおけるビットイコイン(BTC)の不正流出事件についても言及している。DMM Bitcoinから流出したビットイコインは4,502.9BTCに及び、依然として事件の全容はみえていない。しかし、チェイナリシスはこの事件についても北朝鮮のハッカーが関与した可能性を指摘している。

また、ハッカーはDMM Bitcoinからビットコインを不正に取得した後、いくつかのウォレットに分散させた上で、最終的にミキシングサービスを通じてカンボジアのコングロマリット企業であるフイワングループ(Huione Group)のオンラインマーケットプレイス・フイワンギャランティー(Huione Guarantee)に移動したという。ハッカーが巧妙な手口で資金洗浄を進めていた格好だ。

チェイナリシスはこうした不正流出事件を防ぐ意味でも、より強力なセキュリティ体制を整える必要があると述べる。特に今年に入ってから暗号資産の不正流出が増加したことは「ますます複雑で進化する脅威に対して業界が対処する必要がある状況を示した」と称している。

参考:調査結果
画像:Shutterstock

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