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【NEWS】OpenAI、GPT-4.5及びGPT-5のロードマップを発表

2025/02/13Iolite 編集部
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【NEWS】OpenAI、GPT-4.5及びGPT-5のロードマップを発表

最終的にOpenAIが開発した推論モデルに統合

米OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)氏は13日、次世代AIモデルであるGPT-4.5及びGPT-5に関するあらたなロードマップを発表した。このアップデートは、AIモデルの統合を進めるとともに、ユーザー体験の向上を目的としている。

GPT-4.5は数週間以内にリリースされる予定であり、OpenAIが提供する最後の「非思考連鎖モデル」となる。このモデルは、複雑な推論過程を内部で処理せず、最終的な回答のみを提供する仕組みを採用。従来のGPT-4の強みを引き継ぎつつ、性能と効率を向上させることを目的としており、次世代モデルへと移行するためのステップとしての役割をはたす。

一方、GPT-5は数ヵ月以内にリリースされる見込みであり、OpenAIが開発した「o」シリーズの推論モデルが統合され、より幅広いタスクに対応できるようになる。これにより、ユーザーはAIのモデル選択に悩むことなく、シームレスな体験を享受できる環境が提供されるとのことだ。また、無料プランでもGPT-5にアクセスできるようになり、より高度なインテリジェンス設定を有料プランで利用可能にする計画が進められている。

同社は、現在のAI市場において多様なモデルが乱立し、ユーザーにとって選択が複雑化している現状を認識しているとし、今後は「魔法のように統合されたインテリジェンス」を目指し、より直感的かつ利便性の高いAI体験を提供する方針を打ち出している。GPT-4.5及びGPT-5のリリースは、この目標に向けた重要なステップであり、AI技術の進化とユーザーの利便性向上の両面で期待されるだろう。

AI市場における競争とDeepSeekの台頭

今年に入って中国のスタートアップである「DeepSeek」が、AI市場において急速に注目を集めた。同社は、低コストで高性能なAIモデルを開発し、OpenAIを始めとする競合企業に大きな影響を与えている。

DeepSeekが開発した「DeepSeek-R1」は、OpenAIのGPT-4と同等の性能を持ちながら、開発コストをOpenAIの同等モデルと比較して約10分の1ほどのコストに抑えている。このコストパフォーマンスの高さは、中小企業やスタートアップにとっても大きな魅力となっている。

また、DeepSeekはオープンソース戦略を採用し、開発したモデルを無料で公開することで、技術の民主化を推進している。このアプローチにより、多くの開発者がDeepSeekの技術を活用し、あらたなAIアプリケーションを開発する環境が整えられている。

このような状況を受け、AI市場の競争環境は従来の「高性能=高コスト」という概念が崩れ始め、再び変革の時期が訪れている。実際、低コストで高性能なAIモデルが市場に登場したことで、OpenAIを始めとするAI関連企業も戦略の見直しを迫られている。OpenAIはこの競争に対抗するため、GPT-4.5及びGPT-5の開発を急ぎ、高い知能レベルとマルチモーダル機能を備えたあらたなモデルを、時期を空けずに市場に投入すると考えられる。

AI市場の競争が激化するなかで、OpenAIとDeepSeekの動向は今後の技術革新に大きな影響を与えると考えられる。特に、オープンソース技術の普及が進むことで、AI技術の進化が加速し、より高度なAIがより低コストで提供される時代が到来する可能性がある。今後のAI市場の動向とともに、OpenAIのあらたな戦略に注目が集まる。

参考:Sam Altman X
画像:Shutterstock

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