米保守系シンクタンクのNCPPR(国立公共政策研究センター:The National Center for Public Policy Research)は6日、アマゾン(Amazon)に対し、資産の一部をビットコイン(BTC)で保有する財務戦略を提案した。NCPPRは来年4月の株主総会でこの株主提案を議題として取り上げるよう求めている。
提案書では、アマゾンが資産の一部、少なくとも5%相当をビットコインで保有すべきだと主張している。
同提案書によれば、今年9月30日時点でアマゾンの総資産は5,850億ドル(約87兆円)、そのうち880億ドル(約13兆円)は現金、現金同等物、米国債、外国国債、社債などの有価証券で構成されているという。しかし、ドルの価値は継続的に下がっており、債券利回りは実際のインフレ率よりも低いことから、アマゾンはこれらの資産を保有するだけでは数十億ドルの株主価値を十分に保護できていないと説明する。こうした背景から、たとえ短期的には債券よりも変動が激しい資産であっても、債券よりも値上がりする資産を財務戦略として追加することを検討すべきだと主張している。
こうした提案に至った要因としては、米マイクロストラテジー(MicroStrategy)が展開するビットコイン保有戦略がある。マイクロストラテジーは度々ビットコインを買い増ししており、現時点で40万2,100 BTCを保有する。平均取得単価は58,129ドル(約873万円)で、1BTCあたり約40,000ドル(約600万円)の含み益が発生している。
NCPPRは、ビットコイン価格が前年比131%上昇し、社債から得られる利益を126%上回ったと指摘。また、過去5年間でビットコイン価格は1,246%上昇し、社債を1,242%上回るパフォーマンスをみせていると述べる。
さらに、ビットコイン保有戦略を展開するマイクロストラテジーの株価は、アマゾンの株価を537%上回るパフォーマンスを記録しているとし、株主価値の最大化に向け行動に移すよう促した。