株取引プラットフォーム・ロビンフッド(Robinhood)は6日、暗号資産(仮想通貨)取引所ビットスタンプ(Bitstamp)を2億ドル(約314億円)で買収することに合意したことを発表した。
ロビンフッドは同社史上最大の買収を通じて、暗号資産への進出を加速化させる。
ロビンフッドの株価は、同社が「収益のある成長」を追求すると宣言して以来、今年に入り約70%急騰している。アナリストらは、個人投資家による取引の再活性化と暗号資産の採用増加により、さらなる上昇が見込まれると予想している。
個人投資家の間で人気を集める取引アプリのロビンフッドは、今後本格的な金融サービスプロバイダーに成長するために商品提供の拡大化を目指す。
2011年に設立され、世界中でライセンスを保有するビットスタンプの買収により、ロビンフッドはバイナンス(Binacen)やコインベース(Coinbase)など、大手暗号資産取引所とも競合していく。
ビットスタンプはルクセンブルグ、英国、スロベニア、シンガポール、米国にオフィスを構えている。ロビンフッドは今後、EU、英国、米国、アジアの顧客に向けたサービスを強化していく。また、ロビンフッドとして初となる機関投資家向けサービスも展開していく予定だ。
ビットスタンプは85種類以上に及ぶ暗号資産の現物取引やステーキング、レンディングなどのサービスを展開する。英国を拠点としてEU圏でユーザーを集めており、同地域でさらなるサービス拡大を図りたいロビンフッドにとっては相性の良い取引所であるといえる。
ロビンフッドの暗号資産事業会社であるロビンフッド・クリプト(Robinhood Crypto)の副社長兼ゼネラルマネージャーであるヨハン・ケルブラット(Johann Kerbrat)氏は声明で、「当社(のサービス)はEUではまだ初期段階にあり、EU内外で規模を拡大させられることに興奮している。ビットスタンプの買収は当社の世界的展開を加速化させることになるだろう」と述べた。
また、ビットスタンプのCEOであるJB グラフティオー(JB Graftieaux)氏は「我々のプラットフォームと専門知識をロビンフッドのエコシステムに取り入れることで、コンプライアンス、セキュリティ、顧客中心主義に継続的に取り組んでいくことにより、ユーザーに強化された取引体験を提供できるだろう」と語った。
買収は2025年上半期に完了する予定だ。