SBIと米サークルが合弁会社設立へ USDCの取り扱い26日から開始

2025/03/25 15:28 (2025/06/03 12:05 更新)
Shogo Kurobe
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SBIと米サークルが合弁会社設立へ USDCの取り扱い26日から開始

USDCの日本市場での普及で連携強化

SBIホールディングスと米ドルに裏付けられたステーブルコイン・USDC(USDコイン)を発行する米Circle(サークル)は25日、合弁会社の設立に向けた契約を締結したと発表した。合弁会社を通じてUSDCの日本市場における展開を促進する。

SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役会長兼社長は記者会見で、「ドル建ステーブルコインの展開をこのタイミングで行わないといけないと感じていた。日本円のステーブルコインよりも、ドル建ステーブルコインの促進が急務だとの認識を持っている」とコメント。米国を始めとする諸外国の課題を解決するにはドル建ステーブルコインが必要だとし、その上で規制に準拠した形で発行されているUSDCをSBIホールディングスとして全面的に支援していくと述べた。

また、SBIホールディングスとしては、ステーブルコインを活用した暗号資産レンディングサービスに注力するという。6兆円にのぼるとされる外貨預金市場の開拓を狙う。このほか、USDCを活用した決済カードや為替取引、貿易決済などにも着手していくとしている。

Circleのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)共同創業者兼CEOは「ステーブルコインに関する規制を整備したことで、日本はステーブルコインで世界有数の市場になると思った」と述べ、「私たちは名実ともに世界一のドルステーブルコインを目指す」と言及。SBIホールディングスという強いパートナーとともに日本の市場に参入できることを「誇りに思う」と述べ、「日本で拡大しているデジタル経済圏のニーズを満たし、安全かつ透明性の高いドル建ステーブルコインとしての地位を確立させる」と語った。

その一方、現状国内ではドル建ステーブルコインの送金上限が設けられていることについて「ただちに変更すべきだ。規制が変わることに期待している」と述べた。

3つの国内暗号資産取引所でも近い将来の取り扱い計画

なお、CircleはBinance Japan、bitbank、bitFlyerといった国内暗号資産取引所においてもUSDCの取り扱いに関する計画が進められていると明かした。国内暗号資産取引所ではコインチェックも昨年2月に取り扱いに向けた取り組みを公表しているが、今回の発表では触れられていない。

これらの取引所においても、資金決済法にもとづく「電子決済手段等取引業」の登録が完了次第、取り扱いが始まるものとみられる。

アレールCEOはこれらの取引所で取り扱いが開始されることで、「日本市場のユーザーがよりドル建ステーブルコインにアクセスできるようになる」とし、早期実現に期待感をにじませた。

アレールCEOショートインタビュー

──SBIとの連携強化などを踏まえて、将来的にCircleとして日本円ステーブルコインを発行する計画はあるか?

アレール氏:現時点ではありません。ただ、大きなチャンスはあると思います。また、日本円ステーブルコインを発行する、あるいは発行したいと考える企業にとって重要なパートナーになれるでしょう。

私たちはインターネットを通じた金融システムの発展を促進するため、主要な日本円ステーブルコインプロジェクトとの協力を強化したいと考えています。インターネットはシステムの重要な部分です。

──米国ではトランプ大統領の就任後、Web3.0領域に関するさまざまな動きが加速している。その上で、アレール氏やCircleはどのような役割を担っていくか?

アレール氏:私たちは、Web3.0の経済圏において、すでに重要な技術を提供し、そして重要なデジタル資産の発行体になっていると考えています。

世界中でWeb3.0が成長し、米国からのアプローチも増えているなか、多くのプロジェクトが生まれています。これにより、さまざまな製品やサービスを開発する人々が、アプリケーションに私たちの技術を取り入れる大きなチャンスが生まれると考えています。

ですから、Circleはすでに大きな役割を担っていると考えています。世界で技術を生み出すことは、重要なことです。今後もその重責を担っていきます。

画像:Iolite

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