米SEC(証券取引委員会)はビットコイン現物ETFを申請する企業の担当者と面会し、少なくとも2社に対して今月29日までに最終変更の修正申請を提出することを要請したことがわかった。22日、Fox Businessなどが報じた。
これにより、ビットコイン現物ETFの承認に向けた動きが最終盤に差し掛かっていることがうかがえる。
報道によると、SECと協議を行ったブラックロック(BlackRock)を始め、グレースケール(Grayscale)、アーク・21シェアーズ(Ark・21Shares)らの担当者に対し最終変更に関する要請を行ったという。
ビットコイン現物ETFの承認を巡り、まずSECは来年1月10日までにアークと21シェアーズが共同で提出した申請を判断することとなる。期日までにこのETFが承認された場合、同じく申請されているほかのビットコイン現物ETFについても承認される可能性が高いと見込まれる。
SECと面会した2社の幹部は、「議論の機密性が高い」としつつも、修正した申請書の最終提出期限が29日になったと述べたようだ。この期限を過ぎた企業は、「1月初旬にビットコイン現物ETFの承認を得られないだろう」と語ったという。
また、SECが「2024年年明けの営業日に承認する可能性がある」と示唆したとも述べたようだ。
会合メモによれば、ナスダックやシカゴオプション取引所(Cboe)など、ビットコイン現物ETFが取引される可能性の高い取引所の代表者や発行企業体の弁護士も会合に参加していた。
ブラックロック等は修正申請を提出済み
SECは2021年にビットコイン先物ETFを承認したが、これまで現物ETFについては市場操作や詐欺等のリスクが大きいとして拒否し続けていた。
しかし今年10月頃から、ビットコイン現物ETFの承認に向けた機運は高まり、それに伴って暗号資産市場では大幅な価格上昇がみられている。
状況が好転した背景として、今年8月にグレースケールが提供するビットコイン信託「GBTC」をETFに転換するという申請をSECが拒否したことについて、裁判所が再審査を命じたことが大きいとみるアナリストは多い。
多くの発行企業体は、ここ数日間でETFの技術的な詳細部分に変更を加えた。ブラックロックとアークも今月申請書を更新し、SECが以前から要請している現金償還に改めた。
最終的な変更には料金の詳細が含まれる可能性がある。唯一料金を明かしているアークと21シェアーズは、共同ETFに課す手数料を0.80%とした。
最終的な更新については、発行企業体はビットコイン現物ETFのシードに使用する予定の金額に関する情報も含まれる予定だ。協議関係者らによると、これらの金額は少額になる可能性が高いが、ビットコイン現物ETFの取引が始まると増加する可能性が高いという。
これらのシードはあたらしいETFの初期市場が流動的であることを保証するためマーケットメーカーに資金を投じる必要があるからだと説明している。
参考:Fox Business
画像:Shutterstock
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