SEC(米証券取引委員会)は19日、グレースケール(Grayscale)によるイーサリアム(ETH)先物ETFと、ハッシュデックス(Hashdex)のイーサリアム先物及び現物ETFについて、可否判断を来年まで延期することを発表した。SECは2社について先月15日にも審査期間の延期をしていた。
両社の申請についてSECは、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムであるPoS(プルーフ・オブ・ステーク)などの独自機能が、市場操作や詐欺に関する脆弱性と、各ETFがこれらのリスクについて軽減措置がとられているかについてパブリックコメントを広範に求めている。
特に、SECはグレースケールのイーサリアム先物ETF「Grayscale Ethereum Future Trust」について、競合他社が同商品の提供を開始した場合に受ける影響について指摘した。
ハッシュデックスのイーサリアムETFは現物と先物の混合型ETFだ。SECは、この商品の流動性、先物ベースの現物価格設定、現物市場と先物市場の相関関係についての問題を提起した。SECは先物と現物の混合型ETFについてかなり慎重な姿勢を示している。
SECは10月、9社が申請したイーサリアム先物ETFを承認した。グレースケールのイーサリアム先物ETFについても承認は時間の問題かと思われていたが、商品の構造に問題があるとSECは判断した格好だ。
なお、イーサリアム現物ETFについてはまだ承認された事例がない。これはビットコイン現物ETFと同様の措置で、暗号資産現物ETFの認可については慎重見方が続いている。
参考:発表
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